西村京太郎が北陸新幹線のトラベルミステリー! 第4弾は"「かがやき」の客たち"

トラベルミステリー作家、西村京太郎さんが北陸新幹線を扱った作品を矢継ぎ早に出している。北陸新幹線開業からまだ1年なのに、すでに4作目。今作は「十津川警部 北陸新幹線『かがやき』の客たち」(集英社)で、2016年3月4日頃から新潟県上越地域の書店に並び始めた。

西村京太郎著の長編トラベルミステリー
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これまでの「北陸新幹線ダブルの日」(2014年12月)、「東京と金沢の間」(2015年2月)、「北陸新幹線殺人事件」(2016年1月)の3作はいずれも、太平洋戦争が残した深い傷跡が殺人事件と関連していた。しかし、今作は遠距離恋愛中の若手サラリーマンと、金沢の女子大生がからむ旅情ミステリーだ。登場する北陸新幹線は「かがやき」なので、上越妙高駅は出てこないのが残念。

登場する遠距離恋愛中のカップルは、東京のサラリーマン細野新司と、金沢の女子大生竹内綾の2人。北陸新幹線開業でこれまでより2時間も早く会えるようになることから、昨年3月14日の開業日に、東京駅から「かがやき」で金沢に行く計画を立てる。だが、待ち合わせたレストランに綾は現れず、細野は一人で新幹線に乗る。彼女のマンションも留守だったので、両親がパン店を営んでいる宇奈月温泉へ向かう。不安を感じた細野は、地元の派出所に捜索願を出したところ、警察から江戸川に綾らしい女性の溺死体が発見されたと連絡が入る。捜査にあたる十津川警部は細野に疑惑の目を向ける……。調べを進めると、新興勢力の旅行会社による開業日のプラチナチケットをめぐる争奪戦が背後にあることが判明する。

新書判。187ページ。820円+税。

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