海水浴場での水難事故を未然に防ごうと、上越海上保安署と第九管区海上保安本部海洋情報部は2015年6月11日、新潟県上越市長浜のたにはま海水浴場で離岸流の調査を行った。小型無人機ドローンを使って上空から撮影した動画には、沖合に向けて流されていく着色剤が写り、離岸流の怖さがはっきりと確認された。
離岸流とは、海岸の波打ち際から沖合へと向かって発生する強い流れのことで、遊泳中人がこの流れにのまれると沖合へ流され、岸に戻れなくなる危険がある。
今回の調査は、同海水浴場の地形から発生する離岸流を調査するため、2地点で行われた。調査には、長岡技術科学大学の教授や学生が協力した。波打ち際の海水を蛍光色の着色剤で染色し、上空からドローンで撮影。海水が向かう流れを確認した。
ドローンは長岡技科大の修士2年、大竹剛史さん(23)がコントローラーを使って操作し、撮影された動画は無線を通じて大竹さんのスマートフォンに映し出された。大竹さんは「気象条件や波の強さによっては記録を取りづらいことがあるが、今日は問題なく調査できた。持ち帰って記録をまとめたい」と話していた。
新潟県では昨年、離岸流が原因と思われる水難事故で1人が亡くなったほか、8人が沖に流されるなどして救助された。九管本部海洋情報部の太田毅徳主任は「離岸線の端に向かって、1分で15mから20mほど流れる離岸流があることを確認できた。海に危険があることを周知するため、今後は注意喚起を促すちらし配りなどを行っていく」と話した。
今回の調査結果は、7月上旬から中旬にかけて、海上保安部のホームページで公開される。
↓第九管区海上保安本部のホームページ
http://www.kaiho.mlit.go.jp/09kanku/