うるち米の粉を使った細工縁起菓子「ちんころ」作りが新潟県上越市吉川区原之町の「小浜屋菓子店」で連日行われている。干支などの動物をかたどった小正月の縁起物として販売しており、その年の豊作や家内安全、安産などを願い、多くの人が買い求めに訪れる。
同菓子店は創業120年。長年この時期にちんころを作っており、今年は1月10日から作業を始めた。今年の干支のイノシシをはじめ、犬、ウサギ、タコ、鳥、さるぼぼの6種類を4代目の中村崇さん(58)を中心に家族3人で製造する。
中村さんによると、吉川区にはかつて同店のほかにも菓子店があり、各店舗でちんころ作りが盛んに行われていた。個人宅で作っていた所もあり、昭和30年代前半までは区内で「ちんころ市」が行われていたというが、現在区内で製造しているのは同店のみ。毎年この時期を楽しみに購入する人も多いほか、噂を聞きつけて市外から購入に訪れる人もいるほどだ。
ちんころは上新粉に熱湯を加えてこねる。ピンクや緑、黄色といった着色は食紅を使用。指先など器用に使いながら1個3〜4分ほどで高さ約3、4cmで動物などの形をつくり、蒸して完成する。ちんころを購入した人は自宅の玄関や居間などで飾るといい、飾る場所にもよるが、次第に乾燥し、ひび割れするという。中村さんによると「ひび割れが多ければ多いほど幸せになると言い伝えられているんですよ」。一方、できたてを購入後、飾らずに食べる人もいるとか。
中村さんは「飾って見て楽しんでもらいたいし、豊作や家内安全を願って一年を無事に過ごしてもらいたいですね」と話す。6個1000円(税込み)で販売。購入の際は電話で予約する。販売は1月いっぱい。問い合わせ、予約は025-548-2020