その名もズバリ!「えちごトキめき鉄道殺人事件」 西村京太郎が新刊

新潟県上越市に本社がある三セク鉄道「えちごトキめき鉄道」を舞台にした推理小説が2019年2月25日、中央公論新社から発刊された。そのタイトルはズバリ!「えちごトキめき鉄道殺人事件」。トラベルミステリーの第一人者、西村京太郎の新刊で、おなじみ十津川警部が登場し鮮やかな推理を展開する。

発刊された「えちごトキめき鉄道殺人事件」
書影1

冒頭、トキ鉄の「日本海ひすいライン」沿線の各駅の情景が描写され、話が進んでいく。

会社員の木村文彦は、鉄道ファンの同人雑誌に寄稿するため、直江津駅からトキ鉄に乗車し、富山県泊駅まで各駅停車の旅を楽しんでいた。11人の乗客は途中で誰も乗り降りせず、到着した泊駅で1人の男が毒殺された。車内には飲み物を配っていた女がいたという。

殺されたのは元警視庁刑事・新井健一で、5年前に起きた副総理暗殺事件の捜査方針に不満を持って1年前に退職し、事件現場のホテルで当時清掃員をしていた富永秀英という男を追っていた。富永は泊に住んでおり、新井が殺害された翌日に姿を消していた。十津川警部の推理は!?


登場する「日本海ひすいライン」の列車はET122型という1両編成の気動車。直江津9時45分発、泊11時3分着は、実在するダイヤである。表紙画像に使われているのは泳いでいる魚をデザインしたリゾート車両で、普段走っている一般車両は日本海の波を表現している。

えちごトキめき鉄道の嶋津忠裕社長は「事件は旅情あふれる日本海沿線を背景に展開しており、日本海の良さを知ってもらえる機会になる。これがドラマなどで映像化されればうれしい」と話している。

新書判、208ページ。定価840円(税別)。

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