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世界で活躍する彫刻家の「サンドアート」がうみがたりに登場 県内作家の廃材アートにも注目

2か月前

新潟県上越市の市立水族博物館「うみがたり」に海の生き物をテーマにした高さ約2.5mのサンドアートが登場し、来館者の注目を集めている。マゼランペンギンをはじめ、イルカやアザラシなど、施設で飼育される海の生き物を掘った砂像だ。

保坂さんが制作したサンドアート「うみのかたりべ」
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制作したのは世界を舞台に活躍する彫刻家の保坂俊彦さん(47・宮城県東松島市在住)。保坂さんは1997年から砂像制作をスタートさせ、1998年に東京芸術大学美術学部彫刻科を卒業。これまで、サンドアート世界大会で優勝するなど数々の大会で入賞歴を持つ。今春、東日本大震災で大きな被害に遭った東松島市に地域おこし協力隊として移住し、震災復興や本物のアートに触れる機会の提供などを目的に、制作や市内で作品を展示している。

うみがたりでは、直江津地区で開催中の「なおえつ うみまちアート」(〜9月26日)に合わせ、「アートオブリボーン」(〜9月26日)と銘打った独自の連動アートイベントを企画。保坂さんに砂像制作を依頼した。

「うみのかたりべ」の裏側
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制作に使われた砂は直江津海岸で採取した約5㌧。保坂さんが7月26日から約6日間かけて制作に当たった。完成した作品タイトルは「うみのかかたりべ」。保坂さんが館内で飼育される生き物を鑑賞しながらイメージを膨らませ、制作を進めたという。完成した作品には館内で飼育、展示されている20種30点が彫られた。

保坂さんは制作過程について「とても良い制作環境だった。(直江津海岸の)砂はきめが細かくとても奇麗」と話す一方で、「砂の乾燥が早く、(サンドアートに使うのは)とても難しかった」と苦労も。「子供にとっても身近な素材、砂は工夫すれば芸術と遊びをつなげることができる。砂の生き物を楽しんでほしい」と話した。

施設入り口近くの屋外に展示されている。完成した作品の表面をは糊を霧状で吹き付けてコーティングしており、大雨などの影響がない限り、通常は数か月間は作品を楽しめるという。

施設内には廃材アートも展示

うみがたり館内には長岡市在住のアーティスト、加治聖哉さん(25)による生き物を表現した廃材アート作品も展示されている。

加治さんが制作した等身大のマゼランペンギン
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廃材を使ったイワシの大群
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長岡市の杜々の森名水公園を会場に、「水族館」をイメージした常設展示「廃材水族館」で加治さんの作品が飾られており、作品の一部をうみがたりに出張する形で展示されている。

メインは大学の卒業制作作品「芭蕉旗魚(バショウカジキ)」。高さ3.5mの大作で、茨城県大洗市の海から飛び出すカジキをイメージし、木と金属の廃材で作り上げた。ほかにも、廃材を使ったイワシの群れ、マゼランペンギン、タツノオトシゴなども展示している。

高さ3mを超える大作「芭蕉旗魚」。左は加治さん。
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加治さんは「捨ててしまう木などの廃材は、私にとっては宝。廃材の可能性に気づいてもらえれば」などと話した。

館内の作品を鑑賞するには入館料が必要。

▽上越市立水族博物館「うみがたり」 http://www.umigatari.jp/joetsu/