新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休館していた新潟県上越市本町6の高田世界館は2020年5月11日、営業再開の16日を前に、屋外の壁面などにスクリーンを3面設置して予告編の上映を始めた。鑑賞は無料。
最も大きいスクリーンは横3m、縦2mで、同館の軒先から白いビニールシートをつり下げた。周囲が住宅地で大音量が出せないため、近くで見られるよう小さなスクリーンも2面用意した。上映する予告編は「二十一世紀の資本」「レ・ミゼラブル」など計12本。
午後7時から始まった上映会には、映画ファンなどが訪れた。隣接する会場の小町広場には2m間隔でフラフープや新聞紙で作った輪を置き、輪の中で鑑賞することでいわゆる「3密」を避ける工夫をした。
上越市大町1の女性(75)は「外壁のライトアップが素敵で、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い出した。(屋外で)映画上映もやってほしい」と話した。
屋外での予告編上映は5月15日まで、午後7時から約1時間の予定。雨天、強風の場合は中止することがある。
会場では、同館の映画鑑賞に使える「未来鑑賞券」も販売された。1枚1500円で、使用期限はない。シニア割引、学割などはないが、同館では「買って応援してほしいという意味も含めての価格設定。プレゼントにも使ってほしい」という。2020年を忘れないため、コロナ禍の記録、データが裏面に記載されている。
16日からの営業再開では、感染防止策として、入館者を30人以内に制限し、午後7時以降の上映を休止する。マスクの着用や、県外者の来場自粛を呼び掛ける。
◇高田世界館公式サイト http://takadasekaikan.com/