ウィキペディアによりますと、どら焼きとは「やや膨らんだ円盤状のカステラ風生地2枚に、小豆餡を挟み込んだ和菓子のことを指す」とあります。ドラえもんの大好物としても知られ、上越地域の和菓子店でも売っています。
しかし、上越・妙高地域の朝市の露店で売っている “どら焼き” は、和菓子というより、手軽な庶民のおやつ。小麦粉を主体にした生地を焼き型に流し込み、中にあんを入れて焼いたものです。一般的には大判焼き、今川焼きと呼ばれているものですが、直径5cmほどの小型であることが特徴です。
さん70年近い歴史を持つ「町田商店」の2代目、上越市東本町3の町田富洋さん(68)にお聞きしました。
――いつからどら焼きを始めたのですか。
町田 戦後まもなく父が始めたので、70年近く経っているんじゃないかな。私が30歳の時から父と2人でやり、15年前に父が亡くなり引き継ぎました。
――上越地域の朝市で見かけますが。
町田 高田、直江津、新井、柿崎の朝市に出しています。1年中だね。最近は朝市に来る人が減ってきたけれど、5月の野菜苗が出回る時期が一番売れます。冬は天候次第で、売れ行きが安定していない。
――朝市の定番として人気がありますが、製法の秘密は?
町田 製法はシンプルで、昔から粉の配合やあんこの量などは一切変えていないんですよ。あんこは小豆から煮る自家製です。あんこを仕入れていたら1個40円を維持できないからね。
――3個10円の時代もあったそうですね。
町田 昭和30年代は3個10円。1個10円、20円、30円と変わってきて、今の1個40円になってから25年ほど経つかな。原料が値上がりしているので、今度消費税が上がれば値上げせざるを得ないね。
――なんで、どら焼きと言うんでしょうね。
町田 関東で “今川焼” と呼んでいるものと焼き方は同じ。焼き型にドラ(銅鑼)の模様が入っているので、当初から “どら焼き” と呼んでいたんじゃないかな。下越地方のポッポ焼きと同じく、“どら焼き” は上越地方特有のものらしいね。今の焼き型は創業当時から使っているはず。昔は炭で焼いていたけれど、今はガスを使ってるよ。
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