直江津港の防波堤 初の試験開放 愛好家80人が釣り楽しむ

新潟県上越市の直江津港で2015年10月15日、防波堤の試験開放が初めて行われた。約80人の愛好家らが、上越火力発電所沖の防波堤で釣りを楽しんだ。港を管理する県は安全と港湾業務に支障がないことなどを確認した上で、来年度の本格的開放を予定している。

試験開放は当初10月9日からの予定だったが天候不順などで15日にずれ込んだ。午前9時に中部電力上越火力発電所の先の第3東防波堤(660m)のうち、先端260mの両側が開放された。事前に申し込んだ約80人が海に突き出た防波堤から釣り糸をたらし、クロダイやサワラ、アジなどをねらった。午前中はサワラなどが時折釣れていた。

左の灯台が第3東防波堤の先端
防波堤3

開放された先端260m
防波堤1

660mの第3東防波堤
防波堤2

直江津港の防波堤は、立入禁止となっているが、釣り客や地域住民からの要望もあることから、県は港湾業務への支障や、安全確保などを確認するため今回試験開放を実施した。

長野市から来た男性(66)は「今まで釣る場所がなくて正直困っていた。こうして安全に開放してもらえると本当にありがたい」と話していた。

県内では新潟東港、柏崎港で釣り場としての開放が行われている。直江津港での試験開放は10月18日まで行われる。県では今後、今回の試験開放利用者に対してアンケートを行い、地元の関係者による協議会を設置し、利用者の安全と港湾業務に支障がないことを確認した上で、来年度に本格的開放する予定にしている。

「防波堤からの転落に気を付けて」 海上保安官が実演

直江津港の試験開放初日に合わあせて第九管区海上保安本部と上越海上保安署は、防波堤から海中に転落した際の対応についての実演を行った。
釣り客が見守る中、海上保安官が救命胴衣着けた状態で堤防から海に落ち、仰向けに浮いて大声で助けを求め、防水パックに入れた携帯電話で118番通報。試験開放に合わせて堤防には30mおきにロープの付いた救命浮環、50mおきに縄梯子が設置されおり、これらを使って堤防の上から救助した。

転落を実演する海上保安官
海保

同署では、ライフジャケットの着用や防水パックに入れた携帯電話などの連絡手段の確保などを呼び掛け、「落ちたら浮くことに専念して助けを待ってほしい。救命浮環がない場合はペットボトルなどでも代用できる。連絡手段を常に確保し118番通報してほしい」と話していた。

試験開放された場所の図
位置図