新潟県上越市は2021年2月16日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計は934億7363万円で、前年度当初予算より17億9420万円増(2.0%増)となった。新型コロナウイルスのワクチン接種や市総合体育館の大規模改修などが増額の主な要因。村山秀幸市長は「感染症の拡大防止の観点と、経済で打撃を受けている市民の頑張りをしっかりと支える」と話した。
一般会計から制度融資預託金などを除いた実質予算額は、903億1252万円で、前年度より23億4223万円増(2.7%増)。国の本年度補正予算に呼応し、事業の前倒しやコロナ禍の市民生活や地域経済を支える本年度の補正予算24億6841万円を合わせた「15か月予算」は927億8093万円。前年度より35億5651万円増(4.0%増)となった。
市の貯金にあたる財政調整基金の21年度末残高は、財政計画を35億円上回る94億8903万円となる見込み。市の借金にあたる市債の通常分の残高は、前年度より39億1625万円減少し763億71万円。
新型コロナ対策と市民生活や地域経済の支援のほか、収束後の「新たな日常」を見据えた地域活性化に取り組む。第6次総合計画の「暮らし」「産業」「交流」の三つの重点戦略と、2年目となる地方創生の第2期まち.ひと.しごと創生総合戦略に掲げた「しごとづくり」「結婚.出産.子育て」「まちの活性化」「UIJターンとまちの拠点性.担い手づくり」を視点に各種施策を進める。
具体的には新型コロナワクチン接種(9億7108万円)、昨年11月以降の売り上げが複数月にわたって20%以上減少している中小企業への支援金(3億4186万円)、中小企業が行う感染予防のための店舗改装への補助(1億2845万円)、プレミアム商品券の発行支援(3億1300万円)、住宅リフォーム促進事業の継続(1億210万円)、市総合体育館の大規模改修(8億7163万円)、サテライトオフィス誘致(1043万円)、私立高生徒の学費助成の拡充(882万円)、移住や定住のための家賃や住宅取得費の補助(880万円)などを計上した。
村山市長は「コロナ対策が大きな施策の柱となったが、緊急的な対応も行いながら、基本的な行政サービスを提供しつつ、収束後のまちの将来も考えた柔軟な予算編成に取り組んだ」と述べた。
新年度予算案は2月26日に開会する市議会3月定例会に提案される。
▼市議会3月定例会に提案される予算案など
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/shicho-room/kaiken-r3-2-16.html