就任10日の中川上越市長が補正予算案発表  学校の手洗い自動水栓化 副市長と諮問委員各1人選任へ

新潟県上越市の中川幹太市長は2021年11月19日、就任後初の市議会となる12月定例会に提案する補正予算案を発表した。新型コロナウイルスの経済対策のほか、中川市長の発案で子供の感染対策として保育園や市立小中学校などのトイレの手洗い場の自動水栓化を盛り込んだ。また、自身の給与を15%削減するほか、公約の副市長4人のうち健康・福祉分野担当の副市長1人、諮問委員1人を選任する。

記者会見して補正予算案を発表する中川市長
市長会見よこ

就任10日「一歩一歩前に進んでいる」」 

就任から10日で補正予算案発表会見に臨んだ中川市長。「時間のない中でやってきたが、一歩一歩前に進んでいる」「市民や職員などたくさんの人々と意見交換していきたい」と語った。

財調基金取り崩し経済対策

補正予算は18億3040万円。コロナ対策関連では約105億円ある市の貯金に当たる財政調整基金を崩して財源に充て、基金残高は約88億円になる。財政調整基金の規模について「できれば100億円くらいをキープしたいが非常時には積極的に使っていきたい」と説明した。

自動水栓化や第4次の給付金

市内の保育園や幼稚園、市立小中学校のトイレ手洗い場の自動水栓化に約1億4300万円。コロナ禍の経済対策は約13億5000万円で、第4次となる中小企業へ事業者経営支援金の給付、プレミアム商品券や市内飲食店で使用できるクーポンの発行、宿泊割り引きキャンペーンを実施する。

福祉担当の副市長1人選任へ

選挙公約に掲げた副市長については、現行2人から4人に増やす条例改正を行い、議会最終日に健康・福祉分野を担当する副市長人事を提案する。現在の野口和広副市長は続投。残る2人は来年3月定例会までに選任する見通し。

政策諮問委員も1人

市長の求めに応じ政策全般について助言や提言を行う民間の有識者「政策諮問委員」を年内に1人選任する。新年度予算編成などに際して市長に対しアドバイスなどを行うとしている。委員には報償金として職務1回につき4時間以下の場合1万5000円、4時間を超える場合は3万円の定額の報償金と必要な旅費を支払う。報償費など約31万円を計上した。政策諮問委員は最終的には3、4人を予定している。

市長給与15%減額

また、人口減少の緩和に向けて一定の成果が得られるまで市長の給与月額を来年1月から15%減額する。中川市長は「人口減少は喫緊の課題で真剣に取り組む姿勢を市民に示したい」と説明した。