化学物質を購入する不審者に対応 上越警察署がG7サミット前にテロ対策訓練

上越警察署は2023年4月12日、来月開催されるG7広島サミットを前にテロ対策に力を入れようと、爆発物の原料となり得る化学物質を販売する新潟県上越市寺町のひらせいホームセンター新井店で、不審な購入客への対応訓練を実施した。

化学物質の肥料を購入する不審者役に用途を尋ねる店員

近年、安倍晋三元首相の襲撃事件など、市販の化学物質で爆発物を製造する事件が国内で複数発生している。こうした事件を未然に防ぐため、警察では硫酸や尿素など化学物質11品目の販売事業者に対し、購入者に氏名や使用目的などを尋ね、不審な場合は警察に通報するなどの協力を呼び掛けている。

販売店での訓練は上越市内では数年ぶり。G7広島サミットのほか、関係閣僚会合が16日から長野県の軽井沢町で、来月11日から新潟市で行われることから、県警ではテロへの警戒を高めており、訓練には県警外事課国際テロリズム対策室も参加した。

訓練は、警察官ふんする不審者の男が、尿素の肥料を大量購入しようとするもの。レジ対応した店員が用途を聞くと、男は「肥料なんだから畑に決まってるだろ」と答え、劇薬の除草剤があるかどうかも尋ねた。不審に思った店員は男が立ち去るとすぐに別の店員を呼び、男の車の車種とナンバーを確認。服装などの特徴をすり合わせて店長に報告し、店長が警察に通報した。

上越警察署や県警国際テロリズム対策室の警察官が店員2人と店長に対応を指導した

国際テロリズム対策室の相羽崇宏課長補佐は「店員同士の連携もスムーズだった」と訓練を振り返り、「『テロを絶対に起こさせない』という共通認識を販売事業者と共有できたことは非常に有意義だった」と話した。テロ対策については「警察だけでなく、関係機関や地域住民、事業者の協力がなければ完遂できない」とし、協力を呼び掛けた。