上越地域消防局管内で火災相次ぐ 過去10年で最多の昨年上回るペース

上越地域消防局管内の新潟県上越、妙高の両市で今年に入って火災が多発しており、2023年4月7日現在で23件となっている。年間の発生件数が70件と過去10年間で最多となった昨年の同時期の19件を上回るペースに、同局では警戒や市民への広報を強化している。

直江津の海岸沿いで発生した芝火災の現場(2023年3月21日)

7日現在の火災の内訳は、建物火災13件、車両火災2件、ごみの焼却や火入れの拡大などその他8件。火災による死者は1人、けが人は3人となっている。建物火災は住宅が5件、その他は工場や作業所、テナントビルなどで、出火原因は分かっているものでたばこ、まきストーブの灰の再燃などがある。

4月に入ってからは4日間で建物火災1件、芝火災5件と相次いで発生している。今年は雪解けが早く、晴れの日が続いていることから、ごみや枯れ草を燃やした火が広がり、手に負えなくなる例が後を絶たない。

芝火災の消火に当たる消防署員(上越地域消防局提供)

同局予防課によると、昨年の火災の出火原因のうち、最も多かったのが野焼きやたき火が拡大したものだった。4月に入って芝火災が多発していることや、これから空気が乾燥してくることなどから、同様の火災が増加すると懸念している。「『今まで大丈夫だったから』と考えず、風向きや風の大きさ、天気の良い日は火が見えづらいなど、思いのほか広がって手遅れになることもある。廃棄物のドラム缶焼却を含む野外焼却は、法律で原則禁止。大きな被害が出る前に今一度焼却行為について考えて」と注意を呼び掛けている。