ふるさと納税の積極活用に取り組む新潟県上越市を曲で応援しようと、上越商工会議所青年部はロックバンド「ぷっつんojisan」を結成した。メンバー自らが作詞作曲を手掛け、ふるさと納税の利用を呼び掛ける応援ソングを生み出したほか、2023年3月にはミュージックビデオ(MV)も完成させ、YouTubeで公開している。
バンドは、本年度からふるさと納税に本格参入した上越市をユニークな方法でピーアールしようと、同青年部の音楽経験があるメンバーを中心に昨年5月に結成。上越市にスキーを伝えたレルヒ少佐をオマージュした口ひげとミリタリースタイルの衣装が特徴だ。
メンバーはリーダーでボーカルの中々村新田トオルさん(46)、ギターの上真砂シュガーさん(47)、ドラムスのトノさん(50)、ベースの長走あゆむさん(39)、コーラスの上中田翔さん(41)と馬正面つかささん(47)の6人。作詞作曲から、MVの撮影、編集までメンバーが手掛けた。
第1作目となる楽曲「上越でおまんといつまでも」は、市外、県外に住む同市出身者をターゲットに「郷愁」などをテーマとした。歌詞には方言や地域の抱える課題も自虐的に取り入れ、「閉塞感で覆われたふるさとに力貸してくんないかね」と歌っている。MVには返礼品を提供する事業所なども参加し、商品をアピールしたほか、高田中劇会館や世界レコードなど懐かしの写真も登場する。
総務省によると、2021年度の同市へのふるさと納税額は約2623万円で、県内30市町村のうち26位だった。市は昨年8月から返礼品を拡充、大手ポータルサイトに参加するなどし、2022年度は2月末現在で約1億360万円まで増加した。2030年度の目標額は約7億円としている。
28日に記者会見した中々村新田トオルさんは、「今から上越市が出て、(納税額県内上位の)南魚沼市や燕市に勝てるのか。行政に全て任せるのではなく、返礼品を出す民間が自分たちでやらないといけない。盛り上げる応援団としてやっていきたい」と結成に至った思いを語った。
今後はイベントへの参加やSNSで返礼品を紹介するなど活動していく考えで、「ふるさと納税というアクションを起こしてもらい、その中でやっぱり古里って良いな、古里に帰りたいなという思いになってほしい」と話した。