新潟県上越市立の多くの中学校で2023年3月3日、卒業式が行われた。政府の方針を受け、マスクの着用は各校の判断として実施。市立三和中学校(西條正人校長、134人)では、入学からの3年間をコロナ禍で過ごした卒業生42人が、マスクなしの晴れやかな顔で学び舎を旅立った。
市教育委員会では、文部科学省が卒業式について「マスクを外すことを基本とする」と通知したことを受け、マスクの着用は学校に判断を委ねた。また来賓などの出席も制限せず、各校の実状に応じた対応とした。
同校では卒業生に着席時のみマスクの着用を求め、入退場や卒業証書授与、卒業合唱ではほとんどの生徒がノーマスクで臨んでいた。教職員と出席者はマスクを着け、保護者の出席は各家庭2人までとした。
式では一人一人が西條校長から卒業証書を受け取った。西條校長は制限の多い3年間を乗り越えた卒業生を「できないと諦めることなく、どうしたらできるかに知恵を絞り、さまざまな活動を成功に導いてくれた」とたたえ、「焦らず、諦めずに夢に向かって歩み、学び、挑戦し続けてほしい」と言葉を贈った。
卒業生代表の男子生徒は、仲間に向け「互いに向き合い、会話しながら給食を食べることはかなわなかった。いつの日か必ず会話しながら、密な距離でおいしいご飯が食べたい」と語り掛け、「仲間とのかけがえのない絆を胸に、三和中で培ったたくさんの力を信じて歩んでいく」と決意を述べた。