電気料金値上げ前に「企業努力を」 上越市消費者協会が節電講座で東北電力に要望

新潟県上越市の上越市消費者協会(浦壁澄子会長)は2023年2月24日、同市本町3の雁木通りプラザで節電について学ぶ講座を開催した。講師は4月から電気料金の約3割の値上げを国に申請している東北電力の社員で、参加者からは値上げ幅の圧縮など同社の「企業努力」を求める声が上がる場面もあった。

東北電力の電気料金値上げ申請に企業努力を求める声も出た上越市消費者協会の節電講座

同協会は、食の安全や環境、特殊詐欺防止、エネルギー問題など消費生活に関する課題に取り組んでいる。講座は「賢い節約、節電について学ぼう」と題して行われ、会員や一般市民など約70人が出席した。

東北電力は多くの家庭が契約する規制料金について、4月から平均約3割の値上げを国に申請している。講座では、同社上越営業所の担当者が電気料金値上げについて、「ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格の高騰、急激な円安、昨年と2年前の福島沖の地震で太平洋側の火力発電所が停止した“トリプルパンチ”で上昇している」と説明し、値上げに理解を求めた。そして、省エネの観点から、冷蔵庫やエアコンなどの家電の選び方やメーカー別の特徴などを紹介した。

質疑応答では、参加者から「企業努力しても赤字が増えると言っているが、社員の賃金やボーナスはどうなっているのか分からない」という指摘も。中には自宅敷地の消雪パイプの稼働時間を半分にして自分で雪かきをしたり、こたつに湯たんぽを入れて設定温度を低く抑えたりと、庶民の涙ぐましい節電方法を披露する人もいて、会場からは拍手が沸き起こった。

浦壁会長も協会を代表し、「消費者は様々な値上げ攻勢に対していろいろ対策をやっているが、エネルギーに関しては限界がある。東北電力には値上げ幅など、さらなる企業努力をお願いしたい」と要望した。