頸城鉄道を核にしたまちづくりで国土交通大臣表彰 NPO「くびきのお宝のこす会」

新潟県上越市頸城区百間町の「くびき野レールパーク」を運営するNPO法人「くびきのお宝のこす会」(西山義則会長)がこのほど、全国の優れたまちづくり活動をたたえる国土交通大臣表彰「手づくり郷土(ふるさと)賞」を受賞した。2023年2月16日、レールパークで認定証授与式が開かれた。

くびき野レールパークで動態保存するディーゼル機関車。認定証授与式の出席者が体験乗車した

同会は、1914〜1971年に現在の頸城区などを走っていた「頸城鉄道」の車両や施設など、地域に残る文化遺産などを生かしたまちの活性化に取り組もうと、住民有志で2002年から活動を始めた。2008年には蒸気機関車などを動態保存し、歴史資料館も備えるくびき野レールパークをオープン。年数回の一般公開や地元小学生の体験学習などを行い、年間2000人以上の来場者を迎えている。

手づくり郷土賞は、地域特有の自然や文化などを活用した優れたまちづくりを表彰するもので、37回目となる本年度は全国から35件の応募があり、17件が受賞した。同会はパークの整備や運営を住民主体で行い、鉄道を核に地域の歴史を継承している点などが評価された。

国交省北陸地方整備局の池田企画部長(前列右)から認定証を受け取った西山会長(前列中央)

認定証授与式には、国交省北陸地方整備局や同市など関係者約25人が出席。同局の池田裕二企画部長から認定証を受け取った西山会長(70)は「レールパークの魅力が広く知れ渡ることで大変うれしい。数々の奇跡が集まり活動が続いている。会員だけでなく関わった皆さんの温かい応援のおかげ」と感謝した。

同会は全国に約150人の会員がいるが、施設の運営委員は15人ほど。西山会長は「建物や車両の経年劣化や地元スタッフの高齢化が心配」としながら、「キャッチフレーズの『見て、触って、乗って、楽しめる』パークを今後も続けていきたい」と意気込んでいた。

パークで動態保存する蒸気機関車コッペルについて西山会長が関係者に解説した

パークの今年の一般公開は5月5日を皮切りに、6〜9月の第3日曜、10月の第3土曜に行われる予定。