妙高市が新図書館等複合施設の実施設計まとめる 物価上昇で建設費は21億円に

新潟県妙高市は2023年2月14日、2025年度に供用開始を予定している新図書館等複合施設の建設工事実施設計の概要を、市議会全員協議会で説明した。基本設計で17億5000万円とされていた建設費は、物価上昇などにより約3億5000万円多い約21億円となる。

新図書館等複合施設の外観イメージ(妙高市提供)

同施設は市役所本庁や新井駅から近い中心市街地の朝日町1に建設。現図書館の老朽化などから、新図書館を核にカフェ、一時預かり室などの子育て支援機能、市民活動室や展示スペースなどの生涯学習、市民交流機能を設ける。

2023年度に用地買収、物件補償を行い、本体工事に着手する。敷地内のいきいきプラザは2025年度の供用開始後に解体して西側駐車場を整備し、グランドオープンは2026年度を予定している。

妙高市役所側から見たイメージ(同)

基本設計を基に市議会議員をはじめ、障害者、子育て、図書館に関係する団体からの意見を取り入れ、実施設計をまとめた。出入り口は駐車場や駐輪場から近い南北の2か所とし、カフェや階段、エレベーターも北側に移動させるなど、人の動線を考慮した。1階には雨水をトイレ洗浄水に活用する雨水ポンプ室、屋上機械室の南と西の壁面には太陽光パネルを設置し、環境負荷の低減に努める。

建設費は建設物価の上昇により約4億円、太陽光パネルをはじめとした環境配慮設備などにより約5000万円増加。ガラス面積を減らしたほか、仕上げの簡素化で約1億円削減して、積算は21億円となり、入札までの物価上昇を踏まえると最終的には25億円ほどとなる見込みとなっている。

財源の内訳は国の補助金が50%で、合併特例債が4億5920万円、体育・文化施設建設のために市が積み立てていた基金からは7億3600万円、一般財源からは8480万円を充てた。

配置図と1階平面図。県道に面した施設東側にはタイル舗装を予定(同)

この日の全員協議会では、県道に面した施設東側に行う予定のタイル舗装について、雪で滑りやすくなる危険性や、車椅子での通行の安全性を問う声が複数の議員から上がった。舗装について市は「外観の衣装的なもの」と説明し、「タイルでなくても問題はないところなので、また障害者団体などから意見を伺いたい」とした。

19日に市内3会場で市民説明会

市は実施設計に関する市民説明会を19日午前10時から勤労者研修センター、午後1時30分からは妙高高原メッセ、同3時30分からは関山コミュニティセンターで開く。勤労者研修センターでは21日午後7時からも予定されている。19日午前10時からの回はオンラインでも配信され、視聴方法は市ホームページで確認できる。

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