ロシアのウクライナ侵攻から1年 高田世界館が関連映画3作品を特集上映

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻から、まもなく1年になるのを前に、新潟県上越市本町6の高田世界館は2023年2月18日から、ウクライナ侵攻の歴史的背景などを捉えた映画3作品を上映する。同館は「この機会にぜひ今一度ウクライナに、そして平和に思いをはせていただければ」としている。

「ウクライナから平和を叫ぶPeace to You All」

ロシアによるウクライナ侵攻の背景に迫るドキュメンタリー。2013年、ウクライナで大衆デモにより親ロシア派のヤヌコービチ大統領が追放され、親欧米派による政権が樹立。親ロシア分離派がウクライナからの分離を宣言し、東部のドネツク州などは紛争状態に陥った。その渦中にいた市民には何が起こり、生活はどう変わったのか。写真家でもあるスロバキア人のユライ・ムラヴェツ・Jr監督が2015年にウクライナ入りして分離派側とウクライナ側双方の証言を集め、紛争の本質や、人が戦争を繰り返す理由を問いただしていく。(スロバキア 2016年公開)

*上映期間2月18〜24日

「ドンバス」

国際的に高く評価されるウクライナの鬼才セルゲイ・ロズニツァ監督が、親ロシア分離派による実効支配が続くウクライナ東部ドンバス地方の政治や社会を、風刺を交えながら描いた劇映画。 俳優たちを起用して作るフェイクニュース、支援物資を横領する人々、民間人から資産を巻き上げる警察組織、国境での砲撃の応酬……。ドンバス地方を含む無法地帯ノボロシアの日常を、実話を基に構成された衝撃のエピソード13編によって描く。2018年カンヌ国際映画祭《ある視点》部門監督賞受賞作品。(ドイツ・ウクライナ・フランス他6か国合作 2018年公開)

*上映期間2月18〜24日

「バビ・ヤール」

「ドンバス」のセルゲイ・ロズニツァ監督によるドキュメンタリー最新作。第2次世界大戦の独ソ戦の最中にウクライナの首都キーウ郊外で起きた「バビ・ヤール大虐殺」を描く。1941年、キーウで発生した爆発事件(実際はソ連秘密警察が徹退前に仕掛けた爆弾を遠隔操作で爆破)の容疑で市内在住の全ユダヤ人に出頭命令が下され、キーウ北西部のバビ・ヤール渓谷で3万人余りが射殺された。事件の過程とその後の歴史処理を全編アーカイブ映像で描き出す。2021年カンヌ国際映画祭ルイユ・ドール審査員特別賞受賞。(オランダ・ウクライナ合作 2021年公開)

*上映期間2月25日〜3月3日

上映時間などは高田世界館のホームページで確認。