新潟県上越市は2023年2月10日、雇用調整助成金など約3915万円を不正受給していた第3セクター「リフレ上越山里振興」について、同社を解散させる方針を明らかにした。同社が運営している温泉宿泊施設の「くわどり湯ったり村」とレストラン「ヨーデル金谷」など3施設は、新たな指定管理者が運営を担うことになる。
同日開かれた市議会全員協議会で、市が報告した。
市は、3施設について新たな指定管理者の選定に着手し、新体制での運営のめどが立った時点で、リフレ上越の指定管理を取り消し、会社を解散する方針だ。
くわどり湯ったり村に複数企業が意欲
社員が不正に関与していたくわどり湯ったり村については、一旦、リフレ上越を指定管理者として4月の営業再開を目指すとともに、新たな指定管理者の公募を開始する。次期指定管理者が決まり次第、リフレ上越の指定管理を取り消して運営主体を切り替える。市によると、昨年実施した提案型の市場調査では、複数の民間企業が将来の施設譲渡や貸し付けなどを前提とした指定管理に意欲を示していたという。新たな指定管理者は「ゆったりの家」も管理することになる。
ヨーデル金谷は従業員が新会社
ヨーデル金谷は不正受給に関与した社員がいないとされたことから、リフレ上越を指定管理者として、15日から営業を再開する。リフレ上越の解散を見据えてヨーデル金谷の従業員が新会社を設立する計画があり、市は新会社を指定管理者とする方針。
3セク評価委員会を強化
議員からは、会社運営に対する市の監督責任を問う声のほか、いわゆる「あて職」として同社の取締役に就任している地域代表などの責任の軽減を求める意見があがった。また議員が、市独自の調査委員会の設置を求めたことについて小田基史副市長は、「第3セクター等評価委員会を強化し、3セクや協定のあり方のほか、不正が発生しないように研究していきたい」と答えた。