J―ホールディングス解散後は「柿崎総合開発」1社に再編 温浴3社を吸収合併  上越市100%出資の3セクに

新潟県上越市は、同市の第3セクター持ち株会社「J―ホールディングス」を本年度末に解散することに伴い、傘下の温浴・宿泊施設運営会社3社を、同じ傘下の「柿崎マリンホテルハマナス」を運営する柿崎総合開発(同市柿崎区上下浜)に吸収合併して統合する。合併日は4月1日。

2023年1月31日に開かれた上越市議会文教経済常任委員会所管事務調査で市が説明した。

運営会社が合併する「柿崎マリンホテルハマナス」(左上)、「ゆったりの郷」(左下)、「鵜の浜人魚館」(右上)、「ゑしんの里やすらぎ荘」(右下)

柿崎総合開発に統合

吸収合併されるのは「鵜の浜人魚館」「長峰温泉ゆったりの郷」「ゑしんの里やすらぎ荘」の各運営会社3社で、最も資本金が多い柿崎総合開発を存続会社にした。合併後の新会社は同市が100%出資する第3セクターとなり、会社名は3月下旬の臨時株主総会で決定する。本社は4施設の中間地点にあり、最も集客があるゆったりの郷(吉川区長峰)に置く。取締役3人は現柿崎総合開発の田知花康彦社長のほか、吸収合併される運営会社の社長や外部人材の登用を検討する。新会社発足後は当面、現在の各運営会社の社長が各施設の支配人となり、従業員の雇用は継続する。

合併で「年800万円の経費縮減」

市は4社の合併で施設管理や営業、総務を一元管理でき、管理部門の人件費など、少なくとも年間800万円の経費縮減の効果を見込む。4社とJ―ホールディングスが策定した経営改善計画では、社内ルールの一本化やスケールメリットを生かした販売促進による売り上げの増加、人員の流動化、仕入れ原価や重複固定費の削減などで、合併後2年間でコロナ禍で落ち込んだ施設利用収入を1.5倍に増加させ、施設利用収入に対する人件費の割合を50%に抑えることを目指している。

3セク立て直しの持ち株会社は解散

解散するJ―ホールディングスは市町村合併で増えた温浴・宿泊施設運営会社7社の持ち株会社として、市が80.2%を出資して2013年に設立。経営指導やスケールメリットで各運営会社の経営改善を目指したが、経営不振などでキューピットバレイと三和振興が解散し、「うみてらす名立」の運営会社は民間企業に売却された。

「一定期間に成果検証を」

委員会では、宮越馨議員が「新しい枠組みを否定はしないが、J―ホールディングスは失敗だった訳で、これで順風満帆とはならず、数年後にはご破算になることも考えられる」と一定の期限内に成果が出なければ解散や民営化の検討の必要性を訴えた。

阿部俊和産業観光交流部長は「施設は地域活性化の目的があり、目的を重要視して手段を考えている。総合的に判断する中で、どこかで期限を切るというのも選択肢の一つ」と述べた。

関連記事