ドローンとロボットの設備点検自動化システム導入 東北電力上越火力発電所

東北電力は2022年12月1日から営業運転を開始した新潟県上越市八千浦の上越火力発電所に、ドローンと移動型ロボット、AI(人工知能)を組み合わせた設備点検の自動化システムを導入した。ドローンとロボットが測定した点検データをAIが自動解析し、警報で知らせる。

東北電力上越火力発電所に導入された設備点検自動化システムのロボットとドローン

同社が設備点検の自動化システムを導入したのは初めてで、16日、報道関係者に公開された。発電所内ではさまざまな設備を作業員が巡視点検を行っており、熟練の作業員3人が1日2回、1回当たり2時間を要するなど多くの時間と労力がかかる。設備点検の自動化システムは、業務効率化を目指す同社が大手情報システム企業のBIPROGY(東京都)と共同で開発した。

点検作業をするドローン

ドローンはカメラと画像処理による自己位置推定技術で、GPSの電波が届かない場所もある発電所内での自律飛行が可能。移動型ロボットは自動でエレベーターのボタンを押して1階と2階の間を移動することもできる。いずれも搭載しているカメラやセンサーで画像や振動を撮影、計測し、データはクラウド上のAIが自動で過去のデータと照らし合わせる。異常を検知した場合は、作業員のいる中央制御室に警報で通知する。

自動でボタンを押してエレベーターに乗り1、2階を移動するロボット

現在は発電所の一部エリアを点検しているが、徐々に範囲を広げるほか、検知精度の向上も図る。

同社火力部の佐々木超悟課長(火力デジタルイノベーション推進担当)は「パトロールの結果をデータ化して分析することで、人が検知できなかったものを検知し、高度化に寄与できる。上越火力発電所で実績を上げ、他の発電所に展開していきたい」と話した。

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