年末年始の利用客増加に備え 上越妙高駅新幹線ホームで初の不審者対応訓練

帰省や旅行などで人の往来が増える年末年始を前に、JR東日本新潟支社と上越警察署は2022年12月12日、北陸新幹線の上越妙高駅で初めて、不審者対応訓練を行った。駅員がホームに現れた不審者のけん制や、利用客の避難誘導などの初動を確認した。

新幹線ホームにいる不審者役の警察官(左)をさすまたでけん制する駅員

新型コロナウイルスの影響で3年ぶりとなる行動制限がない年末年始や、来年5月に新潟市で開催されるG7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議を見据え、利用者が多い施設での警戒力を高めることが目的。県警が同支社と合同で取り組んでおり、柿崎や長岡、新潟駅でも同様の訓練を行った。

この日は、JR社員と同署、県警本部鉄道警察隊から約20人が参加。北陸新幹線上り線ホームで列車を待つ客が、刃物を持った不審者を発見したという想定で実施した。

利用客役のJR社員(左)から状況を聞き取る駅員

窓口まで知らせに来た客から、不審者のいる場所や様子などを聞いた駅員は、素早く管理者らと情報共有し、警察に通報。防刃ベストやさすまたなど装備を整え、ホームにいる不審者に「落ち着いて話をしましょう」などと呼び掛けながらけん制し、客の避難を誘導した。その後駆け付けた警察官が制圧した。

刃物を持った不審者を制圧する警察官

訓練後は不審者役の警察官を交えたさすまたの講習も行われ、駅員が有効的な使い方を学んだ。

さすまたの使い方を学ぶ駅員ら

佐藤政広駅長は「想定したことが実際の場面で動けないことが分かり、こういうことを突き詰めていくことが重要だと認識した。訓練を積み重ねてより迅速に正確に、お客様の安全につながる行動ができれば」と話した。また利用者が事件に巻き込まれた際には「係員の指示に従って、むやみに大きな声を出すなど、犯人を刺激するような行動は控えて」と呼び掛けている。

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