食べられる「昆布新聞」! 上越市教育プラザに展示 北海道新聞社が80周年で発行

新潟県上越市下門前の上越市教育プラザに2022年11月、北海道産の昆布に食用インクで印刷した食べられる新聞「昆布新聞」が展示されている。北海道の地元紙「北海道新聞」が創刊80周年を記念して制作し、昆布を運んだ北前船でゆかりのある上越市に送った。北海道新聞社によると、昆布を使った新聞は創刊以来初めて。

北海道新聞社が制作した昆布新聞(道外版)

昆布新聞は日本昆布協会が定めた「昆布の日」の11月15日に発行された。生産量日本一を誇る北海道特産の昆布(コンブ)と、励まし奮い立たせる「鼓舞」をかけた同社の「北海道をコブ(鼓舞)したい」プロジェクトの一環という。

大きさはA4サイズ(80g)で、函館市産の函館真昆布に食用の白インクで直接印字した。同社によると、北海道内版と道外版で300部ずつ計600部を制作。道内では100部を11月15日に号外として道民に配布し、昆布に関連する自治体や漁協など関係者にも送付した。道外では配布を希望した北前船ゆかりの上越市や出雲崎町などの10自治体や関係者に送付したほか、東京都内を中心に道産品を扱うアンテナショップ60店舗にも展示している。

上越市教育プラザに展示された昆布新聞

上越市に送付された「北海道産の昆布ご愛顧に感謝」の見出しの昆布新聞には、「今日(こんにち)までの昆布利用に産地北海道を代表して謝意を伝える」として、道産昆布の歴史や粘り成分「フコイダン」などを紹介。「食べ終わるまでが新聞」として、昆布新聞10gに対し水1Lで10時間漬ける昆布水の作り方も掲載している。

担当した北海道新聞社東京支社営業局は「北前船の歴史的背景から昆布新聞をお送りしました。長い歴史の中でこのようなご縁があり、とてもうれしく思っております。今後とも北海道産昆布の消費やピーアールにご協力いただけますと幸いです」としている。

上越市教育委員会文化行政課の草間敬子主任学芸員は「昆布は北前船で運ばれた、なくてはならない産物。昆布新聞は珍しいものなので、ぜひご覧ください」と話している。