大雪時の退避に不安の声 原発「三つの検証」で説明会 上越会場20人参加

東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を判断する前提として県が独自に進めている、いわゆる「三つの検証」についての説明会が2022年11月12日、新潟県上越市下門前の市教育プラザで開かれた。主催する県が検証報告書の内容を説明し、集まった市民ら約20人との意見交換した。

同市での説明会開催は今回初。県民向けの説明会は昨年度に柏崎市、刈羽村の2か所でスタート。本年度は県内4か所で実施し、5日の長岡を皮切りに、柏崎、上越、新潟の全4会場で開かれている。

市民ら約20人が参加した上越会場の説明会

①福島第1原発の事故原因②原発事故による避難生活への影響③原発事故の際の安全な避難方法──についての検証状況を県担当者が説明し、5日の長岡会場で委員長や座長が検証について所感を述べた動画を上映した。

参加者からは「3年前の大雪時は除雪も来なかったため、4日間家から出られなかった。避難方法で大雪の退避は入っているのか」と複合災害の対応を心配する声や、「私達の意見が検証に取り入れてもらえるのか。意見を反映して議論してもらいたい」という声も上がった。「問題点と課題を整理しただけにみえる。自分の生活が守られるのか見えてこない。取り返しがつかなくなる前に対処できるのか。どうやって県民の命と健康を保証するのか」という厳しい意見も飛んだ。

県原子力安全対策課の金子信之課長は「多種多様な意見、提言、皆さんの声も参考にしていきたい。ストレートに答えられずに申し訳なかったが、なるべく皆さんと対話したい。一人一人の貴重な言葉を持ち帰って共有し、参考にしたい」と締めくくった。

当初、説明会は2時間半を予定していたが、参加者からの質問や意見が多数あり、約30分間延長した。

23日午後は新潟市中央区の新潟ユニゾンプラザで開かれる。