直江津港で4年ぶりにテロ対策合同訓練 来年5月のG7財務相・中央銀行総裁会議見据え

新潟県上越市港町1の直江津港西ふ頭で2022年11月7日、「直江津港テロ対策合同訓練」が行われた。国際テロなどによる被害を水際で防ごうと、警察や海保、消防など関係機関が集まり、テロ発生時の初動や対処法などを確認した。

訓練は関係機関の相互連携強化などを図り、国際テロ対策を再確認しようと「直江津港危機管理コアメンバー会議」が実施。実動訓練は新型コロナウイルスの影響で中止してきたが、来年5月に新潟市で開催される先進7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を見据え、今回は2018年以来4年ぶり7回目の開催となった。県警、上越海上保安署、上越地域消防局、東京出入国在留管理局新潟出張所、東京税関新潟税関支署直江津出張所、県直江津港湾事務所の6機関から計約70人が参加した。

訓練には6機関から計約70人が参加した

この日の訓練想定は「直江津港に入港する国際貨物船の乗員にテロリストが乗船している可能性がある」と内閣官房から情報が入ったというもので、関係機関が緊急参集した。

訓練の冒頭、直江津港危機管理担当管の梅田毅上越警察署長が「水際における対策が重要。相互に連携し、一致団結して取り組む」などとあいさつ。訓練では、警戒区域の設定や船内検索、船内に紛れ込んでいたテロリストの捕捉、制圧、テロリストから刃物で刺され負傷した人質の救助などを実施。また、移動式のX線装置を使った手荷物検査や、爆発物処理なども担当機関によって行われた。

テロリスト役(右)を捕捉、制圧する訓練

刃物で刺され負傷した人質役を救急搬送した

爆発物が入った手荷物をマジックハンドで移動

手荷物は爆発物処理車で運搬された

訓練を終え、上越警察署の小林義明警備課長は「実働訓練は各機関意思疎通を図って一緒に行動することができ、非常に有意義だった。有事の際は迅速的確に行動できるよう、訓練を重ねていく」と述べた。