高田の雁木下に干し柿揺れる秋の風物詩 NPO法人「街なみFocus」

雁木が残る新潟県上越市高田地区の街並みの保全活動に取り組むNPO法人「街なみFocus(フォーカス)」(岸波敏夫理事長)は2022年10月30日、干し柿作りを行った。同市大町5の雁木通りの軒下に柿がつるされ、昔ながらの秋の風情を醸し出している。

雁木の軒先に柿をつるしていった

現在ではあまり見られなくなった懐かしい風景を再現し、雁木通りの景観を向上しようと、12月の大根干しと共に10年以上にわたり毎年行っている。例年は会員以外からも参加を募るが、新型コロナウイルス感染防止のため、今年は会員やその家族ら約10人で作業した。

この日の午前中に、柿の収穫依頼があった同市桑取地区で300個以上を収穫し、午後から大町5の旭会館で作業を実施。例年より大きく実がなったという柿を一つずつ皮むきし、5、6個ずつひもにくくり付けた後、実を30秒ほど熱湯に入れて殺菌。会館近くの雁木の軒先につるしていった。

旭会館で皮むきをするメンバーら

昔懐かしい秋の風景が広がった

岸波理事長(68)は「長年やっているので風物詩になり、楽しみにしている人もいる。来年は一般の参加も募りたい」。また、旭会館の向かいには長らく雁木がなかった一角に今月新しく雁木が完成。岸波理事長は「学生の通学路や地元の生活通路で除雪も大変だったので助かる。これからも雁木の景観を保持していきたい」と話していた。

干し柿は20日間ほど干した後、作業したメンバーでそれぞれ味わうという。

干し柿がつるされた雁木の場所