2022妙高市長選 城戸陽二氏が初当選 分厚い組織戦で宮澤一照氏を破る

任期満了に伴う妙高市長選は2022年10月30日に投開票され、前市観光商工課長の城戸陽二氏(55)が、前妙高市議の宮澤一照氏(56)を破り初当選した。いずれも無所属新人同士の一騎打ちは、分厚い組織戦で有権者数の4分の3を占める新井地域を制した城戸氏が、宮澤氏を3400票差で下した。投票率は62.86%だった。

 城戸陽二 9844
  宮澤一照 6444

得票数計 16288票
無効票    145票
開票率100% 選管確定(10月30日午後10時)

旧新井市時代から20年にわたり市政を担った入村明市長(75)が、今期限りでの引退を市議会で表明。事実上の後継となった城戸氏は自民党県連や公明党県本部、連合新潟などから推薦を受けたほか、市議17人中、14人が支援に回った。

主張が対立した17億円の新図書館複合施設整備では、宮澤氏が「箱もの行政をやめ、経済回復や子育て支援などに回す」と建設延期を主張。それに対し、城戸氏は「子供の未来や中心市街地活性化のため、今だから必要」と応戦し、「妙高市の実質負担額は約3割で、積み立てた基金もあるので財源は心配ない」と理解を求めた。

城戸陽二氏が初当選「皆さんの暮らし守る」

初当選し万歳をする城戸氏

城戸陣営は、同市下町の新井商工会議所で約150人の支持者とともに、地元ケーブルテレビ局の開票速報を見守った。午後10時に選管が城戸氏の票を「9844票」と読み終えると同時に、勝利を確信した大きな拍手が巻き起こった。当選の報を受けて支持者と握手を交わしながら入場した城戸氏は、宮下壽幸幹事長の発声で支持者らとともに歓喜の「万歳三唱」をした。

笑顔でだるまに目を入れる城戸氏

城戸氏は「皆さんの期待を胸にしっかり受け止め、約束した六つの町づくりを進め、人口減少と皆さんの生活と暮らしを守る挑戦を続けていく。皆さんとともにこれからの妙高を作ることに全力で取り組むことを約束したい」と感謝を述べると、支持者から大きな拍手と歓声が送られた。選挙戦を振り返って、長崎一男選対本部長は「多くの皆さんから支援をいただき、組織戦の中で勇気を持って戦うことができた。皆さんの勝利でもある」と礼を述べた。

敗れた宮澤一照氏「組織に勝てなかった」

宮澤陣営は宮澤氏の地元同市関山の関山神社社務所で、約50人の支持者らが集まり、開票を見守った。午後10時のテレビの敗戦の報を受けて会場入りした宮澤氏は「結果は残念で、私の不徳の致すところ。組織に勝てなかった」と述べた。

敗戦の弁を述べる宮澤氏

後援会長の渡部道宏市議は「宮澤はこれで終わる訳ではなく、ある意味スタート。これから一歩ずつ進んでいく。これからの我々を見ていてください」と述べ、最後には選対の女性スタッフのかけ声で「頑張ろうコール」で締めくくった。

報道陣の取材に対し宮澤氏は「(新図書館の建設延期など)訴えが届かなかったことは残念だが、一石を投じたと思う。今、図書館を作るよりも子育て支援や福祉、にお金を回すと訴えたが、受け入れられなかった」と悔しさをにじませた。

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