2022年10月30日投開票の新潟県妙高市長選挙で、同市選挙管理委員会は25日、投票所から遠い山間地を投票箱などを積んだワンボックスカーが巡回する「移動期日前投票所」を初めて開設した。高齢者などの有権者が早速、一票を投じた。
移動式の投票所は、前回の市長選挙で期日前投票所がある市役所から遠い地域の投票率が低い傾向にあったことや、本年度に住民票の交付などの窓口業務が行えるワンボックスカーを購入したことから、今回の市長選挙から導入した。県選管によると、移動期日前投票所の導入は、2019年の参院選で県内で初めて導入した柏崎市に次いで2番目。
初日は新井南部地域の水原地区と泉地区の6か所を巡回。このうち市役所から約12km離れた山あいの上小沢集落では、午前9時半から30分間、消防小屋前にワンボックスカーの期日前投票所が設けられ、有権者が投票した。入場券と選挙人名簿との照合は、受付での確認のほか、市役所の選管とオンラインで結び実施。立会人は市職員が務めた。
投票に訪れた同集落に住む無職、野口一美さん(89)は「(期日前投票は)市役所までバスで片道40分かかるので大変だった。設置してもらえれば、老人には大助かり」と話した。岡田光一区長(85)も「非常に助かる」と喜んだ。
同集落の選挙人名簿登録者数は26人で、この日は3割ほどの8人が投票した。市選管によると、今年5月の県知事選と7月の参院選で集会所などを使った臨時の期日前投票所を開設したが、準備と片付けに時間がかかり1日に3か所しか回れなかったという。移動式は「機動力があり、どこでも設置できる」(市選管)ため、一つの会場の投票終了から15分後には次の会場で投票が開始でき、倍の1日6か所を巡回することが可能になった。
27日はこれまで臨時の期日前投票所も開設していない長沢と平丸の2地区内6か所を巡回し、期日前投票を受け付ける。市選管は「身近な所で投票できるので、ぜひ利用してほしい」としている。