上越教育大図書館の学習スペースにネーミングライツ 「東京書籍Edu Studio」

新潟県上越市山屋敷町の上越教育大学は、教科書会社大手の東京書籍(本社・東京都)とネーミングライツ(施設命名権)協定を締結し、付属図書館2階アクティブラーニングスペースの名称を「東京書籍 Edu Studio(エデュ スタジオ)」に決定した。同社のデジタル教科書を体験できるコーナーなどが新設され2022年9月2日、記念式典が行われた。

学生など約100人が利用できる付属図書館2階「東京書籍 Edu Studio」

同大は教育研究環境の向上を図るための財源獲得を目的に、4月にネーミングライツ制度を導入した。学生らがプレゼンテーションやディスカッションなどで使用する同スペースを対象に公募し、同社のみが応募。選定委員会の審査を経て、今回初めて成立した。期間は2025年8月31日まで。

協定により、同社が提供するデジタル教科書を自由に使えるパソコンが3台ある体験コーナーのほか、ロゴ入り看板などが新たに設置された。同社はこれまでも他県の教育大学と同様の協定を結んでおり、同じ名称の施設のオープンは3例目となる。

デジタル教科書を自由に使用できる体験コーナー

同大によると、デジタル教科書は主に小中学校、高校用に販売されているものが多く、大学図書館が購入できるものには限りがあるため、「学生たちが自由に体験できるのはありがたい」と話す。同社としては教育現場に出る前の学生たちに触れ親しんでもらうことで、ICT教材の普及につなげたい考えだ。

テープカットを行う東京書籍の渡辺能理夫社長(右から2人目)と林泰成学長(同3人目)

記念式典で林泰成学長は「教育大学にふさわしい企業からご応募いただいた。デジタル教科書業界の最先端を走っている東京書籍の教材で学べることは幸い」と感謝を述べた。

同社の渡辺能理夫社長は「教師を目指している学生に自由に使ってもらい、これまでとは違った新しい授業の形態を見出すきっかけになれば」と願った。