新潟県立上越テクノスクール(川村忍校長)の自動車整備科2年、長谷川颯汰さん(20)が広島県で2022年7月に開催された「第17回若年者ものづくり競技大会」の自動車整備職種に出場し、上位3番目となる銅賞に入賞した。このほど同校で賞状とメダルの伝達式が開かれた。
主催は厚生労働省と中央職業能力開発協会。企業などに就業せず、職業能力開発施設、工業高校などで技能習得中の20歳以下の未就業者の技能に対する意識を高め、一人前の技能労働者に育成していくことを目的に2005年から開かれているものづくり技能の全国大会だ。
長谷川さんは今年6月中旬から大会に向けて本格的に練習を開始した。放課後や授業など、多い日は1日に4時間取り組んだ。「本番に強いタイプ」と自他ともに認め、指導面は同科の金井隆行指導員(48)から学んだり、昨年銅賞に入賞したした長谷川さんの先輩から会場の雰囲気などを聞いたりした。
大会は「エンジン部品の分解・測定・点検」「ブレーキに関する点検・整備」「サスペンション、ステアリングの点検・整備」なと五つの課題を制限時間内で行った。日頃から練習を重ねていたことから、終始落ち着いて課題に取り組めたが、クリアできない項目もあった。長谷川さんは「(最高賞の)金賞だけを狙ってたので悔しい。ただ入賞はうれしいことなので今後も高みを目指したい」と述べた。
伝達式には県職業能力開発協会の木川義裕専務らが同校を訪れ、長谷川さんに賞状とメダルを授与。木川専務は「将来につながる技術。在校する間に腕を磨き、地元の人たちから愛される技術者になってほしい」と労った。
長谷川さんは「初めは配線図も読めず、何が何だ分からなかったが、(金井指導員らから)一から学べた。自分一人の力ではここまでできなかったので感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔で語った。卒業後は自動車ディーラーに就職が内定しており、今は自動車整備士の国家資格取得を目指す。「整備士としてきっちりと丁寧に仕事をこなしていきたい」と話している。