国の文化審議会(佐藤信会長)は2022年7月22日、新潟県上越市中央3の「旧酢屋呉服店」や同市北本町1の「高野醤油味噌醸造店」など、同市内の7件を国の有形文化財に登録するよう答申した。明治初期から昭和初期にかけての店舗や土蔵、和風医院などで、今後、正式に登録される。
旧酢屋呉服店は1908年(明治41年)建築の商家で、正面には雁木、内部に吹抜けの茶の間などがあり、雪国らしい建物。茶の間に面した内蔵形式の土蔵は1871年(明治4年)に建てられている。現在は保坂工務店の事務所として使用されている。
北本町1の高野醤油味噌醸造店は、主屋の後ろにつながる内蔵形式の土蔵と作業場が1906年(明治39年)、店舗兼主屋は32年(昭和7年)にそれぞれ建築された。雁木通りにある雪国の伝統的な醸造業の様子を今に残している。
現在は手打ちそば店の「いたくら亭」として使用されている板倉区針の旧藤田家住宅は、主屋は1923年(大正12年)に建てられた和風医院と住家。主屋と渡り廊下で繋がる土蔵は、雪から蔵を守るために木製の「鞘」で覆われている
このほか1947年(昭和22年)建築の東本町1の旧早川タンス店(現越後高田樂市樂座)も答申された。正式に登録後、市内の国登録有形文化財は42件となる。
答申された上越市内の建築物7件
- 旧藤田家住宅(いたくら亭)主屋(板倉区針)
- 旧藤田家住宅(いたくら亭)土蔵(同)
- 高野醤油味噌醸造店店舗兼主屋(北本町1)
- 高野醤油味噌醸造店土蔵及び作業場(同)
- 旧酢屋呉服店店舗兼主屋(中央3)
- 旧酢屋呉服店土蔵(同)
- 旧早川タンス店(越後高田樂市樂座)店舗(東本町2)