3年ぶり「上越まつり」始まる 高田地区で祇園みこし渡御 直江津祇園祭は26日から

新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となる新潟県上越市の上越まつりで2022年7月25日、「高田祇園祭」が始まった。新型コロナウイルスの感染者が急拡大する中での開催となり、日程の短縮や祇園みこしの渡御をトラックで行うなどの感染対策を講じ、地域伝統の祭りが復活した。

3年ぶりの高田祇園祭で高田地区を巡行する祇園みこし

上越まつりは高田祇園祭、直江津祇園祭、謙信公祭の総称。高田祇園祭は、1614年(慶長19年)に福島城主の松平忠輝が高田に城を築き、多くの寺社が高田に移ったが、直江津の八坂神社は朱印地をもらう代わりに高田に出向いて祇園祭を行うという取り決めが交わされたことに始まる。コロナ禍の影響で2年連続で中止されていた。今年はみこしの宮入りや川下り、マーチング演奏、大民踊流しなどの諸行事は中止して日程を2日間とし、高田地区でのみこし渡御のみを行う。

八坂神社で行われた高田祇園祭の「発輿祭」

25日、同市西本町4の八坂神社で祭りの最初の行事となる「発輿祭(はつよさい)」の神事が執り行われ、関係者が祭りの安全を祈願した。コロナ禍前は発輿祭でみこしに神霊を移す「御霊(みたま)移し」を行っていたが、神事の時間短縮のため前日に実施したという。

八坂神社を出発する祇園みこし

高田祇園祭祭典委員会の宮越俊有委員長(77)は、「祇園祭をやれる方法はないかと検討してきたので、2日間高田でみこしを回して直江津にお返ししたい。3年ぶりでいろいろな思い入れもあると思う。一歩踏み出すことで、今まで通りの祇園祭に戻ってほしい」と話した。

トラックに載せられたみこしは、同市北本町4の白山神社から巡行をスタート。待ち構えた住民らは3年ぶりの祇園みこしの姿に手を合わせたり、神職のお払いを受けたりしていた。宮入りが中止のため、みこしは25日夜は同市本町4のイレブンプラザ広場を「御旅所」とし安置され、26日は仲町や東本町を巡り陸送で直江津に戻る。

祭りの舞台が移る「直江津祇園祭」は26日からで、感染対策を講じ諸行事を行う。26日は露店開設やマーチングバンド演奏のほか午後8時から大花火大会が開催される。27日はみこし渡御と屋台巡行、28日はみこし渡御と屋台巡行、大民踊流し、29日には御饌米奉納が行われる。

高田祇園祭と直江津祇園祭の行事予定

▽上越観光Navi https://joetsukankonavi.jp/joetsumatsuri/pamphlet/

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