物価高が続く中、新潟県上越市の都市ガス料金も値上がりが続いている。2022年6月30日に同市ガス水道局が発表した8月の都市ガス料金は、標準家庭の1か月あたりの平均使用量35㎥で5925円。12か月連続で上昇し、1971年の上越市誕生以降、最高値を更新した。1年前と比べると1500円以上アップし、約1.4倍にまで高騰している=グラフ=。
原料のLNG価格高騰で最高値
同市の都市ガス料金は標準家庭で4000〜4500円程度で推移していたが、2021年9月から上がり続けている。原因は原料となる液化天然ガス(LNG)の価格高騰だ。海外から輸入するLNGは、原油価格や為替相場の動向で価格が変動するため、購入ガス価格の変動を都市ガス料金に反映する原料費調整制度が導入されている。都市ガス料金はLNG価格の変動の影響を大きく受ける。
脱炭素にウクライナ侵攻が拍車
LNGの価格高騰は、脱炭素の急激な進展で温室効果ガスの排出量が少ないLNGの需要が増している上に、ウクライナ侵攻でロシアからパイプラインで天然ガスの供給を受けているヨーロッパ各国が他地域から調達を増やしているため。同市の都市ガスに使われているLNGはオーストラリア産で供給量では軍事侵攻の直接の影響はないが、国際的な価格の影響は受けるという。
同市ガス水道局は「全国でガス料金は上昇し、ガスに限らずエネルギー価格全体も上がっており、致し方ない」と理解を求める。今後についても「ガス料金が上がる要素はある」としている。
“節ガス”は風呂の追いだき減らすなど
“節ガス”の方法として、一般家庭では給湯によるガスの使用量が多いため、家族で間隔をあまり空けずに入浴し、追いだきの回数を減らすことなどがあるという。
▽上越市ガス水道局 https://gwhp.city.joetsu.niigata.jp/