「野焼きは禁止」 上越地域消防局が「山火事、たき火火災防止運動」実施中

雪解けとともに多発する野焼きやごみ焼却のためのたき火による火災を防ごうと、上越地域消防局は2022年4月30日まで、「山火事、たき火火災防止運動」を行っている。消防車両による警戒を強化しているほか、13日には上越南消防署が、新潟県上越市三和区の三和スポーツ公園で、芝火災を想定した訓練を実施して有事に備えた。

芝火災を想定して行われた消防訓練

林野庁の「全国山火事予防運動」に合わせた運動で、同局管内では1日から始まった。期間中は、特に野焼きやたき火は法律で原則禁止されていることと、やむを得ず火を付ける必要がある場合は事前に消防署に連絡し、消火の準備とその場を離れないことを徹底するよう市民に周知している。

「山火事、たき火火災防止運動」のポスター

訓練は同運動の一環として例年行っており、この日の想定は同公園内で芝火災が発生し、要救助者が1人いるというもの。同署と高士分遣所から30人が参加し、消防車や救急車など8台が出動した。

現場に到着した隊員は、火元から300mほど離れた池から水をくみ上げ、背負式ポンプなどを使って放水。「風上から、退路を確保しながら放水して」などと声を掛け合って手順を確認し、ドローンを使った要救助者の捜索にも取り組んだ。

背負式ポンプを使って放水した

羽深勲署長によると、林野火災は天候や地形によって災害の程度が大きく左右されるほか、消火栓から離れた場所では水の確保などの難しさがあると言う。「野焼きやたき火が日常的になってしまうと通報の遅れとともに大きな被害につながる可能性がある。消防署に連絡してもらえれば出動し、一人一人に説明するなど対応していきたい」と話した。

同局予防課によると、管内では1月1日から4月12日までに24件の火災が発生している。過去5年間で最も火災発生件数が多かった昨年同時期の21件と比べて3件多い。このうち野焼きやたき火が起因とみられる火災が3件あり、このほか火災には至らなかったが、関連の通報による出動が7件あった。

同課では「屋外での焼却行為は天気の良い日だと火が見えにくかったり、風の影響を受けたりと、気付いたときには自分の手に負えないほど火が大きくなってしまう危険性がある。『周りの人から苦情が出ていないから』や、『今まで大丈夫だったから』と甘く見ず、原則行わないで」と呼び掛けている。

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