新潟県上越市議会は2022年5月16日、地域自治と人口減少対策についての提言を、中川幹太市長にそれぞれ行った。地域自治は地域活動支援事業の廃止や13区の総合事務所機能の集約と強化、人口減少対策は結婚、出産祝い金や子供年金制度の創設などを提言している。
地域自治は総務常任委員会(滝沢一成委員長)が、人口減少対策は特別委員会(武藤正信委員長)がそれぞれ2年をかけて調査研究しまとめた。
地域自治では、28区の地域協議会が審査してきた地域活動支援事業は「地域ルールを設けることを認めたため、適切な運用がなされないことが散見される」として廃止を提言。旧町村の13区の総合事務所については、柿崎、浦川原、板倉の3基幹事務所に機能を集めることで行政サービスの充実が図られるものは集約する一方、区ごとの独自予算の編成などを踏まえ、地域自治を支える機能強化を求めた。また「28区それぞれの主体性の維持が困難になっている」として、区割りのあり方の早急な検討も提言した。
人口減少対策は、結婚、出産、子育ての節目に祝い金を贈る制度や結婚を希望する人への貸付制度などの経済的支援、2人以上の子供を持つ保護者への子供年金制度などの創設を盛り込んだ。社会減対応として、若者の働く場を整備するための企業誘致やスマート農業の導入なども提言した。
提言書を提出した飯塚義隆議長は「議会の思いは市民の思いでもあることにご理解いただきながら検討してほしい」と話した。
地域活動支援事業の廃止や総合事務所の機能強化など、提言内容は中川市長の政策と一致する点も多い。市長は「十分に職員と検討し、議会や市民の意見も聞きながら慎重に進めていきたい」と答えた。