直江津商店街関係者に中川市長が謝罪 「商店街ない」発言で

新潟県上越市の中川幹太市長は2022年5月12日、同市中央1の直江津学びの交流館で開かれた直江津商店連合会の役員との意見交換会に出席した。「直江津に商店街はない」とした自身の発言について謝罪し、商店街関係者との信頼関係の構築を図った。

中川市長と直江津地区の各商店街代表者らで開かれた意見交換会

意見交換会には、連合会から新井康祐会長をはじめ、副会長6人が出席。会の冒頭、中川市長は「発言に誤解があり、不信感を与えたことをおわび申し上げる。直江津の商店街の発展に全力を尽くしたい考えに変わりはない。皆さんと信頼関係を作りながら進んでいきたい」と話した。

自身の発言を謝罪する中川市長

出席者からは問題の発言について「ある意味同調する。商店街の形は成しているが、商店街の役割は果たしていない」「これでいいのかと思っていたところ、考えるきっかけになった」などの声が上がった一方、「引導を渡された気分の人もいると思う」と話す人もいた。今後について、「商店街のやりたいことをバックアップしてほしい」「直江津に足を運び色んな人に耳を傾けて」などと注文が付いた。

終了後、中川市長は「誤解されていたところは理解いただき、これからの議論の第一歩になったと思う」、新井会長は「ボタンの掛け違いをなんとか戻した感じ。これから一生懸命色んなことを進めてもらいたい」とそれぞれ話した。

発言の真意を文書で説明

中川市長は、4月19日に高田本町商店街で開かれた若手経営者グループ主催の意見交換会で、「直江津に商店街はない」、「若い世代でここ(高田)を中心市街地だと思っている人はいないと思う」などと発言。高田、直江津両商店街などが同28日、中川市長に発言の真意を問う質問書を提出していた。

5月9日に文書で示された回答で、中川市長は「直江津も含め現在の商店街は大変厳しい状況にあることを伝えたかったもので、表現が至らなかった」「若い世代は富岡地区の大型店や郊外店に行くことが多いと聞いていたため、若い世代の中には本町を中心市街地と思っていない人もいると伝え、商店街と危機感を共有したかった」などと釈明している。

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