鈴木市議の「説明」全文と上越タウンジャーナルの見解

経緯

野焼きをした様子を自らSNSで発信して上越市から廃棄物処理法違反の疑いがあると注意された鈴木めぐみ市議は、上越タウンジャーナルの報道の後も説明を求める市民に対してはSNSで「違法ではない」、「一部の方のみが問題視して騒いでいるだけ」などと依然居直っています。

説明に応じない鈴木市議の態度を重く見た同じ会派の市議たちが仲介し、鈴木市議と説明を求める市民、上越タウンジャーナル記者との面会の機会が3月30日、市役所で設けられました。

その際、鈴木市議は、説明責任を果たすことを約束しました。その方法については今後考えて答えるとしたものの、市民と直接対話するような方法で検討するというのが到達点でした。鈴木市議のほか、2人の市議、市民らが同席していました。

この約束が反故にされ、出てきたのが次の「説明」です。

「説明」についての見解

以下、黒い文字が鈴木めぐみ氏による「説明」全文です。赤い文字が上越タウンジャーナルによる解説と見解です。


上越市議会議員の鈴木めぐみです。

この度、私が行った焚き火により、市民の皆さん及び市担当課など大変ご迷惑をおかけいたしました。また、その後の私の言動についても深くお詫び申し上げます。
今回、私の行った焚き火についての一連の経緯説明をさせていただきます。

今年の2月23日、その日は祝日で学校が休みのため、自宅で子どもたちの塾のプリントを整理していました。

私の子どもの中に、3歳から塾に通い、この3月で塾を卒業する子がいます。私のうちでは、その塾のプリントを全て貯めておき、子どもたちの努力が目に見えるようにしています。今月はこの位貯まったね。よくコツコツ頑張ったねと褒めています。

そして塾の卒業に合わせて、この努力の証を整理することにしました。ただ、そのプリントをゴミとして出したり、シュレッダーにかけたりするのは、それまでの子どもたちの努力自体がゴミとなるようで抵抗がありましたので、塞の神やお焚き上げのような感覚でプリントを燃やす事にしました。

私は、市内では野焼きが原則禁止されていることは知っていましたし、私の家族に消防職員もいますので、野焼きによる火災事例を何度も聞いた事があります。
一方で、私は、野焼きの原則禁止について、例外規定があることも知っておりました。

農業で必要な田んぼの虫焼き、塞の神、お焚き上げ、焚き火、また、庭先でのバーベキューや花火なども、適切に行えば禁止とはなりません。市民の社会生活上、屋外でモノを燃やすことを全て禁止することは有り得ないと思います。だからこそ例外規定があるのではないかなと私は思います。

私の自宅の庭は昔、米の育苗ハウスが何棟も立っていたくらい広く、今は更地で、焚き火をした当時、積雪も50センチ以上は全面にありましたので、自宅から20mほど離れ、周りに何もない場所ならば火災の危険はないと判断し、そこで燃やす事にしました。

そして、折角なので、子どもたちと焼き芋をする事にしました。その時は、何の疑いもなく、いい思い出の一つになればいいなぁと思っていました。
その焼き芋をした当時、私の考えでは、塾のプリントを燃やして焼き芋をすることは、この野焼きの原則禁止の例外規定に含まれるだろうと解釈していました。

ただ、これは後々知ったのですが、庭で落ち葉や木の枝を燃やすための焚き火を行う時に、その焚きつけ用として紙を燃やす事は許容されていますが、紙そのものを燃やすことを目的としてはならないそうです。

私は今回の焼き芋の思い出を、友達と共有しようと、いつものようにSNSに載せました。その時は、ここまで騒動が大きくなるとは想像できませんでした。
SNSを公開してから何日かして、そのSNSを見た友達から、紙ゴミの焼却っていいの?という問い合わせがありました。私は、家庭ゴミを燃やすだけの目的ではダメですが、バーベキューの燃料のように紙を燃やすのは良いのでは、と答えました。

その後、私のSNSを見た他の方が、同様にその是非について市役所へ問い合わせをされました。
そして市役所からは、私が行った焚き火の事実確認と、一般的に資源ごみを燃やすことは野焼き禁止の例外規定には当たらないこと、また多くの方がSNSを閲覧していることから配慮するよう注意を受けました。

そこでは、今回の私の焚き火行為が違法行為であるとは言われませんでした。

そのため、プリントを燃やして焼き芋を行った行為については、野焼きの原則禁止の例外規定に含まれる焚き火の範疇であるのだろうと解釈しました。
そして、3月18日、上越タウンジャーナルの記者から、SNSに掲載した私の焚き火の件について取材依頼がありました。私は「プライベートなことなのでコメントは控えたい」旨をお答えしました。

(まず、上越タウンジャーナルが取材を申し込んだのは3月11日です。そして鈴木市議が記者と面会し「コメントを控えたい」と答えたのは3月22日です。)

私は、この件で取材されたということは、近いうちに記事として掲載されることが予想できたため、不要な争いを避けるためSNSの記事を取り下げました。

私は、野焼きの原則禁止における例外規定があることについて、社会全般にはあまり浸透しているとは思えなかったので、記事を読んだ方が、野焼きは禁止されているのだから、紙を燃やすのは違法だとして紛糾するのではないかなと思いました。

(記事にははっきりと例外規定について明示してあります。鈴木市議の行為は例外規定にはあたらない、というのが上越市当局の見解であることもお伝えしました。)

そして、3月22日、上越タウンジャーナルのサイトに「鈴木市議が家庭ごみのプリントを野焼き 上越市から注意受けるも独自の反論」というタイトルで記事が掲載されました。

そこには、私が取り下げたはずのSNSの記事が画面画像として全て再掲されており、併せて子どもたちを撮影した焼き芋の動画も、一部加工して、著作者である私の許可なく掲載されていました。

(こうした報道の際に公人が自ら公開した写真や文字などを引用することに問題はありません。著作権法上の「引用」に著作権者の許可は必要ありません。)

それよりも、私はまさか子どもたちの動画まで勝手に公開されるとは思いもしませんでしたので、記者に対して、そこまでする必要性があるのかと強い不信感を覚えました。

(野焼きと一体の動画で子供の姿を誰でも閲覧可能な状態で公開していたのは鈴木市議です。上越タウンジャーナルでは子供が特定できないよう動画にマスクをかけました。鈴木市議が公開した動画にはなんらの処理もされていませんでした。必要性は報道機関として判断しています。)

ただ、その記事に書かれてあるとおり、私がプリントを燃やして焼き芋をした経緯は事実であるので、各方面からの反響はあるだろうけど、仕方がないかなと思いました。

その後、市民の方から、今回の騒動を受けて、市議として説明責任を果たすよう要望がありました。

しかしながら私は、上越タウンジャーナルの記者へ回答したように、焼き芋は市議としての公の活動ではなく、プライベートなことであり、また私は今回の行為は野焼きの原則禁止の、例外規定の範疇と捉えており、更に上越タウンジャーナルの記事の内容以上にもう説明することはないと考えていたため、そのご要望をお断りしました。

(公人の行為に違法の疑いがある場合、その行為が議会活動など公的なものか私的活動かを問わず、説明責任を求められるのは当然です。3月22日の取材時にも説明しました。)

その後、上越タウンジャーナルの記者からも一般市民の方と同様に、今回の件の説明責任を果たす様、オープンなSNS上で依頼がありました。

私はその記者とはこれまでの取材などを通じて面識があり、SNS上でも友達関係にありましたので、個別にメッセージアプリを通じて連絡をとり、これ以上の説明を公の場で行うつもりはないことをお伝えしました。

その個別のメッセージアプリでのやり取りの中で、そや記者は私とのメッセージの内容を公開すると言ってきました。私は信じられず、キッパリと拒みましたが残念ながら受け入れてもらえませんでした。

(まず、オープンなSNS上で市民が説明を求めた経緯はこちらをご覧ください。記者と市民はオープンな場での説明を求めたにもかかわらず、同時進行で鈴木市議が記者に個別のメッセージを送信してきました。記者は再三オープンな場での説明を求めました。「キッパリと拒みましたが残念ながら受け入れてもらえませんでした。」とありますが、公開はしていません。)

完全に裏切られた思いになり、ショックと悔しさで言葉を失いました。

そして、マスコミとはこんなやり方を平気でやるのかと強い嫌悪感を抱き、その記者との信頼関係は完全に崩れたと思いました。

(「完全に裏切られた思いになり、ショックと悔しさで言葉を失いました。」との記述から、メッセージの内容が極めてセンシティブなプライバシーなど鈴木市議の権利を侵害する内容を含んでいるような印象を与えていますが、事実はまったく違います。やり取りは通常の私人同士のプライベートなものではなく、記者と公人の間でなされたもので、内容も公にかかわる議論しか含まれていないことから、事実を示すためにここで公開します。鈴木市議と記者のメッセージのやりとり。)

私は、私のメッセージが公開されることでまた騒動が広がり、今度は子どもたちへ危害が及ぶかもしれないと頭が一杯になり、恐怖で体が震えました。

私はできればもう二度と関わりたくないと思い、SNSのブロック機能を使い、その記者とのSNS上での交流を遮断しました。

(説明した通りで、メッセージのやり取りの中に「今度は子どもたちへ危害が及ぶ」などという危惧を抱かせる内容はありません。信頼関係云々と述べながら「炎上ネタに構っていられません」と言い放ってブロックしたのは鈴木市議です。)

それからは、なるべく関わらない様にと極力避けてきましたが、執拗に繰り返される要求に、私はこの記者から嫌がらせを受けているのでないかという被害者意識が芽生えました。

(「子どもたちへ危害が及ぶ」」「この記者から嫌がらせを受けているのでないか」という記述は、これまでも説明した通り、根拠がなく、記者の人格を貶める中傷です。)

その後もその記者や一部の市民の方と私の間で、説明責任を求めるやり取りがSNS上で続きました。

私は信頼関係のない方とは友達になりたくありませんし、また必要以上に対応したくない気持ちがありましたので、それらの要求に対して、記事に掲載されている以上のことを説明することはないと、繰り返しお断りしました。
私はその記者に対し、次の文書を送りしました。

「昨日ご提案いただきましたYouTubeライブにつきましては、やはり1日考えましたが辞退させていただきたいと思います。
なお、Facebookでの交流を止めさせていただいたのは、メッセンジャー内で、〇〇さん(←記者のお名前)とのメッセージのやり取りを公開しないでほしいとお願いしたにもかかわらず、公開する素振りがあったため、率直に恐怖を感じたためです。申し訳ありませんでした。ご気分を害されたかと思いますが、ご了承ください。
今後、何かありましたら、下記メールアドレスにご連絡頂きますようお願い申し上げます。
上越市議会議員アドレス 鈴木めぐみ 」

そして、3月27日に、上越タウンジャーナルのサイトに「「市民の皆さん馬鹿にしておりませんよ」 違法野焼きSNSで発信の鈴木市議 説明拒否続ける」というタイトルで2回目の記事が掲載されました。

記事を読んだ私の率直な感想としては、私がその記者へ、追加の説明を行う必要がないことを繰り返してきたことが、どうして市民の皆さん全体を馬鹿にする事になるのか理解できませんでした。

(「市民の皆さん馬鹿にしておりませんよ😅」というのは鈴木市議自身が市民に対して言った言葉です。)

また、記事のタイトルに「違法」と断定されていることこから、私には、私を陥れるための記事の内容だと受け止めて、弁護士を通じて正式に抗議することを検討しました。誰が「違法」と判断したのか、記者の独断ではなく、きちんと公的機関に取材した回答であるのか、事実確認を求めようと考えました。
しかしながら、今回の2回目の上越タウンジャーナルの記事による騒動の影響はあまりにも大きく、また多方面の、直接関係ない方々にまでご心配とご迷惑をかける事になりました。

(我が国の法制度では、当たり前ですが、最終的な違法・適法の判断は司法の領域なので、最終的には訴追を受けて裁判所が判断します。今回のようなケースでは市や県といった行政機関は法律を示して「違法の疑いがある」と指摘するのが限界です(捜査機関は別ですが、最終的には裁判所が判断します)。記事ではこうした主旨に沿った表現がなされています。)

(また「きちんと公的機関に取材した回答であるのか、事実確認を求めようと考えました」とありますが、そうした照会は鈴木市議または弁護士から上越タウンジャーナルに対してありませんでした。)

私が記者を拒んでいる理由をご存知ない方には、私が逃げているように映るようです。

(上で示した具体的なやり取りを見れば、「逃げているように映る」ではなく「逃げている」というのが事実です。)

私の子どもたちにも、友達から心配のメッセージが届くようになりました。

そして、今回の騒動を受けて、私がお借りしている子ども食堂に管理人から激しい口調で立ち退き要求がありました。

(この件については「管理人」と名指しされている方にお話を聞きました。鈴木市議の見解とは相当の隔たりがありました。ここについてはどちらが事実か現時点で判断できませんが。)

おそらくこの騒動が続く限りは、私が上越市議会議員として市民の皆さんのためになると信じて活動している、子育て支援政策だけでなく、再エネ普及促進活動や農福連携事業への影響も考えられます。

私一人が個人的な感情で記者への対応を拒んできましたが、また今反論することは騒動を拡大させてしまいます。もうこれ以上市民の皆さんに市政、市議会への不信感を持たれるわけにはいきません。

長くなりましたが、今回の焼き芋行為から騒動に至るまでの一連の経緯の説明を持って、私からの説明は一区切りとさせていただきます、

今後は、一公人として疑いの持たれる行動は謹み、また軽率な判断をしない様、注意して参りたいと思います。

令和4年3月31日
上越市議会議員 鈴木 めぐみ