国内初 タンクローリー燃料に再生可能ディーゼル 上越市のINPEXロジスティクス

大手エネルギー開発のINPEX(東京都)子会社のINPEXロジスティクス(上越市大潟区、金修二郎社長)は2022年5月27日から、同社のタンクローリーに再生可能燃料の「リニューアブルディーゼル(RD)」の使用を始めた。RDの使用は北陸、甲信越地方で初めてで、タンクローリー燃料への導入は国内初。

RDをタンクローリーに給油するINPEXロジスティクス社員

RDは廃食用油や動植物油などを原料とする再生可能な軽油で、原料調達から製造、使用、リサイクルに至るまでの温室効果ガスの排出量が、石油由来の従来の軽油と比べて約90%削減できる。燃費は従来の軽油と同程度またはそれ以上だが、価格は3〜4倍かかる。電気や水素などのように使用する車両や給油施設の改修といった設備投資は必要ない。

使用するRDは欧州で製造され、伊藤忠商事(東京都)がフィンランドのNeste(ネステ)社から輸入し、伊藤忠エネクス(東京都)が供給。INPEXロジスティクスの北陸・甲信越地方への石油製品の輸送を担うタンクローリー全18台の燃料として使用する。INPEXロジスティクスによると、年間に使用する500kgの軽油がRDに入れ替わることになる。

RDは無色透明で臭いはない

7日に上越市内で記者会見したINPEX国内エネルギー事業本部の宮永勝本部長補佐は「長年新潟県で事業を継続しており、脱炭素への取り組みを新潟から始められ喜ばしい。今後もRDビジネスを展開し、新潟県の脱炭素を牽引(けんいん)していきたい」と述べた。

2021年にグループ内のコンビニエンスストアの配送トラックに日本初の商業ベースのRDを導入するなど、国内でRD事業を展開する伊藤忠商事エネルギー部門の松本強石油・LPガス貿易部長は「RDの安定供給を構築し、北陸・甲信越地方のRDの導入をしっかり実現していきたい」と話した。

RD使用を掲示したINPEXロジスティクスのタンクローリー