予算7千万円の本格芸術イベント 直江津活性化へ今夏開催

まちなかでの現代アート作品の展示を通じて新潟県上越市直江津地区の活性化を目指そうと、同市などが今夏に予定している芸術イベントの実行委員会の初回会合が2021年4月30日、上越市中央1の直江津学びの交流館で開かれた。7000万円の予算をかけた本格的なアートプロジェクトで、イベントの名称は「なおえつ うみまちアート」に決定した。

上越市と、「無印良品 直江津」を出店している良品計画、頸城自動車の3団体が、昨年1月に締結した地域活性化の包括連携協定に基づき開催する。実行委は直江津の商店街や町内会、市内の美術関係者など10人で組織し、上越観光コンベンション協会の山田知治会長(頸城自動車社長)が会長に就任した。

企画全体のプロデュースは良品計画が行う。同社のアートイベントやデザインについて幅広くかかわっている鈴木潤子さんがキュレーターを務めている。

イベントは「未来への交感」をビジョンとし、「うみ/まち/ひと」がテーマ。8組のアーティストが直江津の歴史や自然、文化的な背景を踏まえて、まちと住民とともに作品を作る。市民とともに描くなど参加型の作品も展示する。キュレーターの鈴木さんは「主役はまちと市民。アーティストと一緒にまちを歩いて作品を作る。それにふさわしいアーティストを提案した」と説明した。

実行委の初会合でビジョンやテーマについて説明する鈴木キュレーター
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会期は8月1日から9月26日までの58日間で、7月31日は地域住民向けの前日祭を実施する。会場は船見公園周辺、直江津屋台会館、ライオン像のある館、安国寺通り商店街の4か所。
 
当初、7月25日から9月12日に十日町市と津南町で予定されていた「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021」と集客などで連携するはずだったが、新型コロナの影響で開催延期が決まった。上越市では「新型コロナの影響は心配されるが万全な感染防止対策を講じて進める」としており、コロナ禍で人の交流が制限される中、地域活性化の可能性を探る。状況によっては会期や内容を見直す可能性もあるとしている。