北信越最大の柔剣道場も 県立武道館の建設工事始まる

新潟県上越市戸野目古新田の上越総合運動公園内で来年12月の開館を目指す「県立武道館」の建設工事の起工式と安全祈願祭が2018年3月28日、建設予定地で開かれた。空手や柔道など2020年の東京五輪の事前合宿にも使用できる施設で、柔剣道場は北信越では最大規模となる。来年9月の完成を目指し、神事が執り行われた。

2019年12月に開館予定の県立武道館(新潟県提供、イメージ画像)
新潟武道館_外観CG_鳥瞰アプローチ

県立武道館は、国道18号上新バイパス寺インターチェンジからほど近い同公園のテニスコート南側に建設される。敷地面積は約2万2950平方mで、延床面積はリージョンプラザ上越のインドアスタジアムの4倍以上となる約1万3036平方m。建物は地上2階建てで、大道場は北信越地域で唯一、柔剣道の公式戦8面分を確保でき、観客席1074席を備える。小道場、弓道場をそれぞれ2つずつ設けるほか、相撲場も完備。トレーニングルームには、国立スポーツ科学センターで導入されている最新鋭のランニングマシンやベンチプレスなどの機器を置く。100人を収容する研修室や、計4室の会議室もある。

北信越では最大規模となる柔剣道8面分の大道場(同)
新潟武道館_内観CG_大道場

畳敷きの小道場(同)
新潟武道館_内観CG_小道場_畳敷き

観客席200席がある相撲場(同)
新潟武道館_内観CG_相撲場

外観は山城をイメージした濃淡さまざまな灰色で彩り、桃色の桜や緑の山々、黄金の稲穂や白い雪と、上越の四季や地域に調和したデザインとした。

武道館は民間資金などを活用するPFI方式により、鹿島建設を代表企業とするグループが建設し、2034年まで運営を担う。整備や維持管理などの総事業費は約90億円で、このうち建設費用は約65億円。上越市は武道館を活用し、東京五輪でドイツの空手道、同パラリンピックでドイツの柔道の合宿招致を目指している。

この日の安全祈願祭には関係者ら約70人が出席。溝口洋副知事が「本県の武道の振興及び競技力向上に大きく寄与すると共に、上越総合運動公園と一体となってにぎわいを創出し、地域活性化につながると期待している」とあいさつ。その後、工事の安全を願って、くわ入れなどが行われた。

溝口副知事(左から2人目)らによるくわ入れ
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起工式を経て、上越総合運動公園内で建設工事が始まった
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上越市の村山秀幸市長は「北信越大会、全国大会、国際大会も視野に入れ、誘致することができる。当地域のスポーツの振興、交流人口の拡大、にぎわいの創出など、さらなる効果を期待できる」と話した。

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