東京パラリンピック(8月24日〜9月5日)の聖火リレーに向け、上越市で採火された炎の集火式が2021年8月15日、高田城址公園オーレンプラザで開かれた。地元中学生らが市内14か所で展示された火を集め、市民のパラリンピックへの思いを一つに合わせた。
東京パラリンピックの聖火は、各市町村が独自の方法で採火したものを自治体内で展示するなどした後、都道府県ごとに集約し、最後に東京に集まり一つの聖火となる。
上越市では、日本スキー発祥100周年を迎えた2011年から、毎年1月12日の“スキーの日”にともされている「日本スキー発祥の火」から8月12日に採火を実施。採った火を14個のランタンに分け、市役所木田庁舎と13区の総合事務所などに展示した。
集火式には、市内20の中学校や特別支援学校の生徒22人のほか、保護者や市職員ら約60人が参加。生徒たちは14個のランタンからそれぞれの点火棒に火を移した後、一つの点火皿に一斉に点火棒を寄せ合った。点火皿に大きな火がともると、会場から拍手が沸き起こった。
中学生代表でスピーチした浦川原中3年の男子生徒は、集火式への参加が大会について調べるきっかけになったと話し、「障害を否定的に捉えない人もいて、障害の有無という壁をなくし、個性の尊重が大事だと改めて考えた。これからも共生社会の実現に向け、考え行動したい」と述べた。
集めた火をランタンに納める役目を務めた上越特別支援学校高等部2年の男子生徒は「初めてのことに挑戦したくて立候補した。ドキドキしたけど頑張った」と話していた。
集めた火は15日の午後1時〜同4時、16日の午前10時〜午後1時に県立武道館「謙信公武道館」で展示される。16日午後に新潟市に運ばれ、県内30市町村の火がまとめられ、東京へと送られる。