イノシシが夜の公園で大暴れ 芝生掘り起こされ無残な姿  五智公園とたにはま公園

新潟県上越市の五智公園(五智6)とたにはま公園(西戸野)で、野生のイノシシが芝生を掘り起こす被害が広がっている。広場などの芝生が広範囲に深く掘り起こされ、地中の土がむき出しになっている。たにはま公園では昨年度も被害があり市が補修工事を行ったばかり。市内ではイノシシによる農作物の被害が深刻な問題となっているが、市民の憩いの場である身近な公園にも影響が及んでいる。

ミミズなどを探して芝生掘り起こす

同市などによると、イノシシが芝生を掘り起こすのは主に夜間で、土の中の植物の根やミミズなどの食べ物を求めているとみられる。

イノシシに芝生を掘り起こされた五智公園(2019年2月25日撮影)
五智公園

五智公園は民家近くまで

五智公園では公園入り口の駐車場に近い「ちびっこ広場」付近の芝生が被害に遭い、2019年2月25日には芝生が掘り起こされ荒れた畑のようになっていた。市は27日に市民からの通報で被害を確認したという。

里山の自然を利用した同公園では、2017年6月に自生するササユリの球根が大量に掘り起こされ、当初は盗掘と思われたが、実はイノシシの食害だったことが判明している。当時は公園入口から離れた山の中での被害だったが、今回は公園入り口付近。公園の周囲は住宅地が広がっている。

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公園内を散策していた近くに住む70代の女性は「以前はこんなことなかった。昨年もイノシシが出たと聞いたので、恐ろしくて公園の奥の方へ行かないようにしていたのだが、こんなに入り口近くまで来るなんて」と驚いていた。

たにはま公園は6000㎡被害

たにはま公園では、市内最大の大型複合遊具などがある芝生の多目的広場約1万9000平方mのうち、約6000平方mが被害にあった。1月末に地元住民からの連絡で、市が被害を確認した。

子どもたちが遊ぶ遊具周辺の芝生が掘り起こされたたにはま公園(2019年2月25日撮影)
谷浜公園

2017年秋にも同じ場所で約9000平方mにわたって掘り起こされ、市は約250万円をかけて砂を入れて芝を再度定着させる補修工事を行ったばかりだった。

同公園は毎年12月中旬〜3月中旬の冬期間は閉鎖されているが、市は今年も開園までに再び砂を入れて敷ならす工事を行うという。

鳥獣被害対応とあわせ抜本的対策検討へ

市都市整備部では「2年連続の被害。やられては直すだけではない対策を考えていきたい」としており、鳥獣被害を担当する自治・市民環境部と連携して抜本的な対策を含めて検討する。