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佐渡汽船小木―直江津航路「あかね」売却へ 就航からわずか5年 上越市などに補助金返還も

3か月前

佐渡汽船(本社、新潟県佐渡市)は、小木─直江津航路の高速カーフェリー「あかね」を売却し、ジェットフォイルを就航させる方針を明らかにした。北陸新幹線の開業に合わせた広域観光振興策として2015年4月、鳴り物入りで就航した新造船で、導入時には上越市と佐渡市が合計10億円を超える補助金を負担したが、わずか5年で暗礁に乗り上げた格好だ。同社は補助金の返還を表明している。

就航からわずか5年で売却方針が示された小木ー直江津航路の「あかね」(2020年5月)
あかね(2020年)

佐渡汽船によると、2020年7月7日の取締役会で決定した。売却は慢性的な赤字が続く同航路の収支改善が目的。同航路は年間約10億円の赤字を出しており、車両も運搬するカーフェリーから乗客だけを運ぶジェットフォイルへの変更で、4億円削減できるとしている。ジェットフォイルへの切り替えは、来年春の観光シーズンに間に合わせたい考え。

あかねは2015年の北陸新幹線開業による直江津港から佐渡への観光客増加を見込み、同航路では20年ぶりの新造船として就航した。それまでのカーフェリーより1時間短い1時間40分で結び、1日1.5往復の変則運航から1日2往復の運航が可能になり、年間20万人の利用を見込んでいた。

しかし、佐渡島全体の観光客の減少や島内の急速な少子高齢化で輸送人員が年々減少。就航した2015年の約18万3900人から2019年には12万2700人にまで減少した。船の種類が二つの船を並べたような「双胴船」で、スピードが出る一方、特有の揺れがあり、乗客から不評を買うこともあったという。

あかねの建造にあたって、航路の維持と広域観光振興のため、佐渡市が8億1000万円、上越市が約2億5000万円の補助金を負担している。同社の土屋亨総務部長は取材に対し、「税金を投入し導入しており、申し訳ない。今後の話し合いになるが、補助金をお返しする。赤字で厳しいので一括ではなく、分割などで協議したい」と話した。上越市から求められれば、売却方針の経緯や今後についての説明を検討するとしている。

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