上越市大町5に全長24mの雁木完成 交流生む場所に

145年の歴史に昨年幕を下ろした新潟県上越市大町5の「北島仏壇店」の店舗跡地前に、長さ13間(約24m)の雁木が2020年9月10日、完成した。周辺の雁木通りでも目を引く長さだが、木造でこげ茶色の柱は、昔ながらの風景に溶け込んでいる。

景観にこだわった雁木が完成
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後継者不在などを理由に、1875年(明治8年)創業の同店を閉めた5代目の北島喜司男さん(70)。今年5月下旬から店舗を解体して月極駐車場として整備し、6月下旬から雁木の工事を開始した。北島さんは旧店舗裏に約4年前に建てた住宅で暮らしている。

高田地区に現存する雁木の総延長は約16kmと日本一を誇るが、近年は引っ越しによる取り壊しなどで途切れている箇所が目立つ。北島さんは「雁木を作るのはここで生活する以上は自然な流れ。冬でも除雪せずに出かけられる雁木は、自分たちのためでもあるし、長年商売で世話になった地域のためでもある」と話す。

掲示板やベンチも設置
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店舗があった頃の雁木は、建物と合わせたアルミ外装のひさしに、タイル張りの柱だったが、新しい雁木は昔ながらのイメージに戻そうと木造に。景観向上と雪対策のための木製格子を施したほか、建物と一体になっていないため、耐震強度を高めようと基礎工事にもこだわった。

また、格子部分に誰でも利用できる掲示板を設け、店舗の廃材を使用したベンチ2脚を置いた。北島さんは「子どもの頃に安全な遊び場だった雁木を、我々世代の遊び場、交流の場にしたい」と朗らかに語った。

住民の交流を期待する北島さん
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掲示板は、政治、宗教、営利を目的とするものや、公序良俗に反するもの以外であれば、誰でも申し込みなしで利用できる。

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