約20年前まで高田駅前にあった喫茶店「白鳥」は、新潟県上越市内で最も大きな喫茶店であり、駅前の「顔」だった。
高田市と直江津市が合併して上越市が誕生した1971年(昭和46年)の高田駅前通りの写真がある。写真右側が新栄広田ビルで、一般には「白鳥ビル」と呼ばれていた。2階のフロア全部が喫茶店スペースで、客席は100席以上あった。
1階には東京パン、春陽館、市川手芸店などが入居していた。写真左側には立ち食いそばの「春日」、2階には喫茶店「サン」がある。中央左にはいづも屋百貨店が見える。
ビルは高田駅前の整備に伴って1996年前半に取り壊され、現在は駅前ロータリーになっている。
1971年12月から「白鳥」を経営した上越市仲町5の山崎愼太郎さん(73)は、「新栄不動産からコンパル(2店)とニュージャパンも併せて経営を引き継いだ。建物は4階建てのビルに見えるが、実は木造3階建てで、4階は屋根裏部屋。老朽化が激しい上、駐車場もなく、携帯電話の普及も考え、経営に見切りをつけた」と話す。携帯電話が普及するまでは、喫茶店での待ち合わせが一般的だった。
白鳥ビルに隣接していた高田ターミナルホテルの田中正人社長(60)は、「大きな喫茶店で、壁には大きな外国の夜景の写真パネルがあり、背面から照明されていたのが印象的だった」と話している。
直江津駅前にも「白鳥」があったが、経営者は別。