新潟県上越市大潟区の竹田酒造店(竹田成典社長)が、主に女性をターゲットにしたふくよかな甘みと香りの日本酒「かたふね はなじかん」を発売した。
新潟の日本酒と言えば「淡麗辛口」だが、日本酒の消費量が減少する中、女性や若者にも受け入れられる甘口の日本酒を開発する蔵元が増えている。幕末の1866年(慶応2年)創業の竹田酒造店は、代表銘柄「かたふね」をはじめ、創業以来、米の甘い香りと味にこだわった「旨口」といわれるコクと丸みのある甘口の日本酒を造り続けている。開発に3年をかけ、同社が約10年ぶりに発売した通年商品が純米酒の「かたふね はなじかん」だ。6月27日に発売した。
日本酒の甘辛度を示す日本酒度は一般的に数値が高いほど辛口となり、「やや辛口」は+1.5〜+3.4に相当するが、「はなじかん」は−50という「大甘口」。しかし、しつこい甘さではなく、ふくよかな甘口と香り、ほどよい酸味があり、デザートワインとして知られる貴腐ワインやアイスワインに近い味わいだ。ワイングラスに注ぐと、香りだけなら日本酒とすぐには分からない人も。アルコール度数も13度と低め。
特にターゲットとしているのは30〜40代の女性。杜氏も務める竹田社長によると、仕事に家事に育児にと大変な世代の女性がほっと一息つける癒やしのやわらかな味わいを目指したという。商品名の「はなじかん」は、1週間の忙しい日々を乗り越えほっとできる金曜午後9時45分をイメージし、ラベルデザインは女性デザイナーが担当。時計の針が午後9時45分を指している。
同社は、「かたふね 特別本醸造」が世界最大規模のワイン品評会「インターナショナルワインチャレンジ(IWC)2019」の日本酒の本醸造の部で最高賞を受賞するなど、海外での評価も高い。
竹田社長は「はなじかんは『究極の甘口』を目指して造った商品。今後、更に磨きをかけて世界に誇れる日本酒の一本にしていきたい」と意気込んでいる。
500mlで、価格は2000円(税抜き)。同社の店頭、「かたふね」を取り扱う小売店で販売している。
問い合わせは025-534-2320。竹田酒造店 http://www.katafune.jp/