良品計画がリノベーションした上越市の公営住宅 22日まで入居者を募集

新潟県上越市は「無印良品 直江津」を運営する良品計画(東京都)と高舘組(同市西本町2)がリノベーション(大規模リフォーム)した、同市港町2の「港町特定公共賃貸住宅」の入居者を募集している。従来の公営住宅にはなかったアイランド型キッチンや作業台にも収納にもなる作り付けの収納家具などが設置されている。

公開された港町特定公共賃貸住宅のモデルルーム(収納用品や家具などは撮影用) DSC_8011

港町2の賃貸住宅は2001年建築の35室14階建ての高層住宅で、長年低層階を中心に空き部屋が多かった。市は民間ノウハウを生かして入居率の向上を図ろうと、2〜4階の3LDK(83.29平方m)2室と2LDK(72.63平方m)3室の計5室を、当初予算で約3000万円をかけ市営住宅初のリノベーションを行った。

改修はダイニングキッチンと隣接する部屋を中心に行われ、壁を撤去して3LDKは2LDKに、2LDKは1LDKに間取りを変更した。明るく開放的なリビングダイニングキッチンの中心には、調理スペースやシンクなどが独立した無印良品オリジナルのアイランド型キッチンを設置。フローリングの床材は無印良品直江津の店舗と同じ天然木材を使用している。エアコンとライティングレール用のスポットライトは備え付けだ。

無印良品の収納用品にサイズに合わせた収納家具や可動棚 DSC_8016

引き出し収納のアイランド型キッチン DSC_8007

良品計画によると、柱と柱の間などの隙間に収納をまとめ、いびつだった部屋の形状を整えることで余白を作り、自由に家具を配置できるようにした。作り付けの収納家具や細かく位置を変えられる収納棚は無印良品の収納用品のサイズと合うように作られていて、収納の仕方や家具の配置などについて、無印良品直江津のインテリアアドバイザーが相談に応じる。新型コロナウイルスの収束後には、同賃貸住宅の集会室などで出張相談会を開くことも計画しているという。

押入れを収納やデスクスペースに DSC_8010

玄関脇の収納スペース DSC_7995

「無印良品東京有明」商品企画・法人担当の新井亨さんは「収納などを作りすぎず、今持っているものも生かせるようにした。“余白”を楽しんでもらいたい」と話した。

2月11日には内覧会も開かれた。参加した市内の別の公営住宅に住む40代の女性は「アイランドキッチンなど、ほかの公営住宅と全然違う。無印良品のスタッフが相談に乗ってくれるのもいい」と話していた。

主寝室 DSC_8006

家賃は5万5000円〜6万7000円で、単身者の入居も可能。特定公共賃貸住宅は中堅所得者向けのため、世帯所得などの入居条件がある。入居は4月以降の予定。入居申し込みは2月22日まで受け付けていて、応募多数の場合は抽選となる。申し込み書や必要書類の詳細は市のホームページからダウンロードできる。部屋の見学は市の担当者と日程が合えば2月14〜18日も可能。

問い合わせは上越市建築住宅課025-526-5111

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