新潟県上越市川原町の日鉄住金工材株式会社(石川昌弘社長)はこのほど、同社敷地内に創業70周年を記念し「ハートと雪の結晶」のオブジェを設置した。地域活性化支援として記念写真スポットづくりに取り組む同社が、”インスタ映え“ を意識して自社製作した自信作で、オブジェはゴールドチタンとチタン製でハートと雪の結晶がきらめいている。会社営業日の月曜から金曜の午前8時〜午後6時頃なら、誰でも自由に敷地内に入り、写真撮影が可能。夜にはライトアップもしている。
記念写真スポットは、今年6月に同社敷地内に完成した京都・伏見稲荷大社の千本鳥居を模し10基の鳥居が並ぶ「百年継続祈願鳥居」に続く第2弾。
今年4月にオブジェ担当の同社機器部の社員から地域をテーマにデザインを募集。寄せられた30点の中から、桜や椿、雪の結晶、高田城などをモチーフにした数点に絞り、さらに部内で議論を重ね「ハートと雪の結晶」に決定した。製作作業を経て10月中旬に完成した。
オブジェは、ハート型のゴールドチタンにチタン製の雪の結晶やハート型の枠を組み合わせた3層構造。大きさは縦61cm、横7cmで、高さ1mの土台の上に設置している。正面から見ると、2つのハートの中にゴールドチタンに反射する雪の結晶が見え、前面に取り付けられた天使の像をあしらったイタリア製の真ちゅうのベルは鳴らすことができる。土台には、市内在住のイラストレーター、ひぐちキミヨさんが描いた6人の子宝に恵まれた社員一家と直江津祇園祭の花火のイラストをパネルにし、貼り付けた。
製作作業では、ステンレスやチタンなどの各種特殊合金製造販売メーカーである同社が最も得意とする溶接技術を駆使。特に高度な技術を要するハート型の溶接は、新潟県溶接コンクールで優勝した社員が担当した。
オブジェの横の地面には、ステンレスの額縁に白い石を敷き詰め、写真撮影の際、用意してある色付きの石を並べて自由に文字が描けるという、遊び心にも溢れている。
石川社長(64)は「(会社が)百年続きますようにとの思いも込めた。百年継続祈願鳥居と一緒に思い出に残る写真を撮ってほしい」と話している。
同社敷地内では、古い横長の倉庫の外壁をレンガ調に張り替え、世界遺産の富岡製糸場に似せた外観にする改修工事も行っている。来年2月には高田の町家をイメージした雁木付きの会議施設も完成予定という。