鮎正宗酒造が手指の消毒に使える「アユコール66」 5月1日発売

新潟県妙高市猿橋の「鮎正宗酒造」(飯吉守社長)は2020年5月1日、高濃度アルコール「アユコール66」を発売する。消毒用エタノールの代替として手指消毒用にそのまま使える。上越地区の特約店や一部のコンビニ限定の販売で、720ml入り1本1550円(税別)。

5月1日から販売する「アユコール66」。ネーミングもしゃれている
アユコール4

新型コロナウイルスの感染防止に必要なアルコール消毒液は供給が追いつかないため、厚生労働省は今月、酒造メーカーが作るアルコール濃度が高い酒を消毒液の代わりとして使用することを認め、全国の医療機関などに通知した。

鮎正宗酒造では、例年なら出荷量が増えるゴールデンウイーク前に注文が少なかったことから、「先が見えない中、やれることをやってみよう」と、高濃度アルコールの販売を決めた。

国税庁はアルコール濃度が高い酒を製造する期間限定免許を新たに設けたが、申請には時間がかかるため、14年前に取得したリキュールの製造免許を使うことにした。

日本酒の本醸造、特別本醸造、吟醸、大吟醸の品質調整などに使う原料用アルコールに、エキス分(糖類)を2%加えた。アルコール度数は消毒用として60~83%の範囲で認められており、扱いやすい66%にした。希釈して飲んだり、チューハイなどに使うこともできる。

飲料用のアルコール商品であるため、価格には酒税を含む。「酒税が高いので利益は度外視している。転売などをせず、上越地域で必要としている人に普通に使ってもらいたい。720mlの大容量なので、分け合ってほしい」と話す。

上越地区の特約店や一部のコンビニ限定の販売で、720ml入り1本1550円(税別)。初回は1000本の出荷を予定。瓶などの資材調達が困難なため、以降の出荷は未定。問い合わせは同社0255-75-2231