上越市仲町で暴力団排除ローラー作戦 警察や関係機関3年ぶり実施

事業者から暴力団への利益供与などを禁止する「新潟県暴力団排除条例」の施行から10年が経過したことを受け、新潟県警などは2021年12月15日、上越市仲町で暴力団排除ローラー作戦を実施した。飲食店を回り条例を周知したほか、不当要求の実態を調査するアンケートを配布し、暴力団排除の意識高揚を図った。

飲食店でちらしやアンケートを配る大澤上越署長(左)
20211215暴力団排除ローラー作戦

2011年に施行された同条例では、みかじめ料などとして事業者が暴力団関係者に金品を渡したり、不動産取引をしたりすることを禁止しており、違反すると勧告や事業者の氏名公表などの措置が取られる。新潟市や長岡市の一部は暴排特別強化区域に指定されており、利益供与などを行った場合は懲役や罰金が課される。

今回は条例の周知とともに、上越市における暴力団の活動実態を調査するため、2018年以来3年ぶりにローラー作戦を実施。県警組織犯罪対策第二課や上越警察署、県暴力追放運動推進センター、県弁護士会から約40人が参加し、飲食店など約230店を回った。

仲町3のスナックマリーナでは、上越署の大澤弘署長が条例内容をまとめたちらしと、暴力団から不当要求された経験などを尋ねるアンケート用紙を店主に手渡し、協力を呼び掛けた。

同センターの志賀康則専務理事は「暴力団のいない平穏で安全な新潟県をつくるには、各地域の方々の協力と理解が必要。店舗経営の長い方の中には、みかじめ料は必要経費だと思っている人もいるかもしれない。今は暴力団排除の時代なので、条例を盾に断ってほしい」と話し、不当要求された場合や今後支払いを断りたい場合など、困ったことがあれば同センターか警察、県弁護士会に早めに相談してほしいとした。

◇新潟県警察組織犯罪対策 https://www.pref.niigata.lg.jp/site/kenkei/sotai-sotai.html
◇新潟県暴力追放運動推進センター http://www.boutui-niigata.or.jp/
◇新潟県弁護士会 https://niigata-bengo.or.jp/